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2020/6/8

マインドフルネスのレッスン

マインドフルネスのレッスンを行っています。

マインドフルネスというのはものごとをあるがままに受け入れ、現在の瞬間に価値判断を下さずに注意を向けることで現れる意識(気づき)のことで、不安が強く、自分を苦しめていると感じている人、慢性痛に対して拒絶する気持ちが強く、却って痛みを強く感じてしまっている人、病気に対する恐怖心が強く、心配することで回復する機会を逃している人にとって、とても重要な心の持ち方になります。

これまでも必要なタイミングでアドバイスをしてきましたが、深い所までお伝えする機会がなかなかなかったことを実感し、レッスンをメニューに加えました。

レッスンとして行うから意味があるのだということもわかりました。

ある程度の考え方を説明することは一回のカウンセリングでできますが、マインドフルネスはレッスンが重要です。私の体験からの実感としては書道を習うようなものでもあります。

話を聞いただけでは実践することが難しいものだと思います。そのため結局、生活の中で生かされることなく、自信のない状態だけが続いてしまいます。

書道を習う際、横画、縦画、払い、止め、はね、などの基本を丁寧に練習しないと上達しません。基本の反復をせずに見本を真似て書いても、見る人が見れば初心者の書だということがすぐにわかります。

書道は段を取るために数年かかりますが、マインドフルネスのレッスンは五回も受ければ身につきます。ただし、本当に効果を上げたければ定期的なレッスンを受けることが最善です。

マインドフルネスは禅から産まれたもので座禅を組むときの教えと共通しています。多くの場合、思考を止めないで眺める、呼吸を意識的に行うなどの説明になりますが、何事にも執着せず、現れては消えていくものとして静かに眺めるなどということはすぐにはできないのです。特に体の不調を抱えている人、今この瞬間に痛みを抱えている人、理由のない不安感に襲われている人には苦痛にしかならないこともあります。

禅の教えは有名な書家の書を初心者が真似て書くような状態になることがあります。完成品だけが答えであると、それを真似て書いているうちに本物になれるというところがあります。

しかしそれではほとんどの人が身につきません。ましてや病気の方、苦しみの最中にいる人にとっては遠くに浮かんでいる雲を掴むような感覚になってしまいます。

私自身、精神的にも肉体的にも深刻な状態にあった時、瞑想も祈りもできませんでした。呼吸を観察することも難しいと感じました。姿勢を保つこともできないと感じました。

そのような状態で果たして意味があるのかどうか、こんなことが治癒に繋がるのか、答えを教えてくれる人はいませんでした。

私が健康を取り戻す上で様々な健康法が力になりましたが、何より、自分の中にある不安や身体的な苦痛とどのように向き合うか、それがとても重要でした。不安や痛みを拒絶し、それに対して否定し、逃げているうちは苦しみが続くのです。私は極限状態にまで陥り、もう無抵抗になるしか選択肢がありませんでした。もう戦う気力も失い、自分で死ぬことも選ばないと決めた時、ただ無抵抗になりました。不安や痛みに、好きなようにしていいよ、いつでも好きなだけいればいい、もう怖がることも逃げることもしない、ただあるものを感じるしか自分にはできない、そのような状態になった時、不安も痛みも消失して行ったのです。これは私にとってすべてを180度変える体験になりました。怖いものなんて存在していなかった、初めから自分は受容できる存在だった、それを心から知るための旅だったのです。

私がマインドフルネスというスキルがあると知ったのは私がこの体験をした後です。私は一瞬にして闇を光に変える体験をしたのですが、マインドフルネスの合理的なやり方こそ、多くの人の希望になると確信したのです。

マインドフルネスのいいところは合理的かつ理論的に理解しやすいように考えられており、心理学の検証を長い期間経て、医療に応用するところまで発展してきたということです。

ひとりの人間が作り上げたものではなく、禅をもっとわかりやすく実践しやすくするためにはどうしたらいいか、このようなケースで有効なやり方は何か、など研究を重ねて熟成してきたものでもあります。

例えば身体的な不快感があって、それに伴うつらい感情が押し寄せてきている時、それに加えていろんなことを考えてしまいます。これから悪くなるのではないか、死んでしまうのではないか、もうだめかもしれない、自分はなんて価値のない人間なんだ、自分はきっとどこかおかしい、など。

これらの身体、感情、思考の悪循環はさらに続き、身体的な苦痛は本来あるものをはるかに越えて自分を苦しめ、もう耐えられないと思い込んでしまうのです。

このような時に瞑想をして思考を眺める、呼吸を意識するなどが果たしてできるでしょうか。多くの方は試みたとしても、これが良い方に行くものとは思えないと感じてしまいます。

マインドフルネスはマニュアルで教えられるものではありません。人間は複雑だからです。ひとりひとりみんな違うのです。そして脳が誤作動を起こして苦しんでいる時、自律神経が不安定でホルモンの分泌が異常な時に、一体何ができるのでしようか。

このような状況の方に有効なマインドフルネスもあるのです。

私は自分が一番苦しかった時の自分を想定してこの仕事をしています。本当に体調がつらい時、精神的に余裕がない時にどのような一歩を進めばよいのか、今日できる一歩は何か、そのようなことをお伝えできることが大事だと思って行っています。

そしてその先にゴールがあるとなかなか思うことができないということを知っているため、ガイドとしてお役に立てると思い、レッスンもさせていただいています。

私がすべてをわかっているわけではありませんが、脳が本当に病んでしまった状態の中ではポジティブ思考は難しいということ、しかし本当に大切なのは無理にポジティブ思考をすることではなく、今日できる受容なのだということをお伝えしたいと思っています。

今日、心が重く、体も緊張して何もできない、精神的に余裕がない、どうにかなってしまいそう、このような今のありのままの自分をそのまま、何も評価せず受け入れてみてください。無力な自分をどうにかしようとせず、そのまま受け入れてみてください。苦しい最中、何も抵抗せずそのまま自分を受け入れてあげてください。自分を責めず、過去を掘り起こさず、誰も評価せず、力を抜いてありのままを感じてみてください。

苦しい自分を思いやりの視線を向けて抱きしめてあげてください。

本当の自分はどんな時も絶対大丈夫だということを知っています。そして無理に受け入れようとしなくても拒絶しなければ自然に受け入れているということになるのです。

本当の自分は海のような大きな存在でひとつひとつの苦しい感情や痛みは波のようなものです。

大きな存在である海はひとつひとつの波を脅威には感じていません。すべて自分の一部として存在することを認めているのです。だから恐れることはないのです。自分は海なのですから。

これはジェフフォスターさんの言葉で私が印象に残っているフレーズです。私はこの表現が大好きです。

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