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2015/5/28

ホメオスターシスであれ!

ホメオスターシスとは生命恒常性機能のことです。どんな食生活をでもどこに住んでいても人間の血液濃度は一定に保たれます。血液だけでなく、体の中のミネラルの割合や細菌の割合などもです。私が知らないだけで他にもたくさんあるでしょう。つまり自分の勝手知らぬところでいつの間にか「ちょうどいい」を作ってくれている力がホメオスターシスなのです。

 

この力は個の生命を超えて存在します。例えば地球です。地球の酸素濃度はぴったり同じ数字で維持されているのです。よく渋谷のスクランブル交差点と森林の中では酸素濃度が違うと思われていますが、実は同じです。なぜなら酸素は濃ければよいというものではなく、これ以上少しでも濃ければ脳の働きがおかしくなると言われています。

 

酸素が薄くなることはよくあります。富士山の上のほうでは酸素が薄いので高山病になります。例えば締め切った部屋の中で過ごし続ければ酸素は薄くなり、結果頭が痛くなったりいろいろするのです。

しかし上のような特別な状況を除けば酸素濃度は同じです。そうでなければみんな倒れてしまいます。窒素や二酸化炭素などが発生すれば酸素は供給されてきます。地球自体が生きていて自然にそうしてくれるのです。

 

しかし例えば人体においてカルシウムが生命維持には不可欠なのですが、カルシウムが不足すると血液中のカルシウム濃度を維持するために体は骨からカルシウムを取り出します。取り出した分補給があればいいのですが、ないと骨のカルシウム密度は薄くなり病気になってしまうのです。そう考えると人間が酸素を汚したり、海を汚したりしてもどうにかして元通りにしようとする力が働きます。しかしあまりにも汚し方がひどいとホメオスターシスに歪みが生じ、地球へのダメージが出るのだと思います。地球がダメージを受ければ人間も無傷でいられるわけはありません。それがわからなくて壊滅的なことをしている国や指導者が存在していることは残念でたまりません。

 

私たちはこのような常に「ちょうどいい」ところに維持してくれている力の中で生きています。そのことにまず思いを馳せ、当たり前のようにある空気や食べ物に感謝しなくてはいけないと思います。

 

うちには金魚がいます。金魚が生きて行けるように水槽の中を「ちょうどいい」ところにするのは私の仕事です。水道水のカルキや塩素を抜いて、バクテリアを住まわせ、適度にコケをはやせ、「ちょうどいい」環境を作ってあげます。その中で当たり前のように泳いでいる金魚を見ていると感謝せえよという気にもなれず、ただかわいいなあと思ってしまいます。地球や私たちの肉体をちょうどよくしてくれる大きな力もかわいいやつらだなあと温かく見守ってくれているとは思いますが、やっぱり感謝するべきだと思います。よく見ると金魚も感謝してそうです。

 

さて、このホメオスターシスは自然治癒力そのものでもあります。そして体だけでなく心の傷を癒してくれているのもこの力なのではないでしょうか。現在、とても心に大きな傷がついてしまっている人は、この力に思いを馳せましょう。「いつか必ず思い出にかわるさ」なんて歌がよくあるじゃないですか。もっと意識的にホメオスターシスを感じることができれば早く癒しが訪れます。それはこのブログを最後まで読んでくれただけでも訪れるのですが、普段からそのような大きな力に感謝することなのではないでしょうか。

 

「こうなればいいのに、こうなってほしい」と祈る気持ちも「ホメオスターシスであれ!」と思うことが近道なのかもしれません。

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