BLOG

2015/1/21

動脈硬化や心筋梗塞、癌とカルシウム

先のカルシウムについてのブログで、カルシウムパラドックスについてお伝えしました。口から摂るカルシウムが不足すると、その不足を補おうと骨からカルシウムが溶け出し、足りないはずのカルシウムが体中にあふれてしまう不思議な現象のことを言うのですが、それが動脈硬化の原因となり、心筋梗塞をはじめあらゆる病気の元凶となり、老化の原因になるということはあまり一般的に知られていません。

今でもなお、カルシウムを多く摂ることが、病気の元凶になるという間違った認識がはびこっています。重ねて言いますと、口から入るカルシウムは、必要以上には体内に取り込まれず、余剰分は排出されてしまいます。口から摂取したカルシウムが悪さをすることはありません。そうではなく、人体に必要不可欠なカルシウムが十分に摂取されなかった場合に、非常事態として骨から溶け出されるカルシウムが、人体すべての働きを狂わせてしまうのです。

カルシウムが動脈にたまると、動脈壁が硬化し、血液が通りにくくなり、動脈硬化と言われる状態になります。そうなると血管が硬いため心臓から流れてくる血液を受け止められず、血圧が上がります。(高血圧と動脈硬化はこのように手を携えて起こってくるのです)

また、免疫細胞の中にカルシウムが入りこむと、免疫のシステムがうまく働かず、がん細胞などの増殖を抑え込む事も難しくなります。実際、癌の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、カルシウム拮抗剤と言って、細胞の中にカルシウムが入らないようにする薬が、抗がん剤の働きを強め、癌の発育を抑えることが知られているそうです。

このように、カルシウム不足はさまざまな病気の原因となります。また折に触れお伝えしたいと思います。

«糖尿病について
プラス思考が病気の原因にも»
一覧へ戻る