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2019/11/25

大腰筋を鍛え、目覚めさせ、ゆるめると体は変わる

年を取ると共に筋肉の量が少しずつ減少してしまいます。

 

筋肉の量が少なくなると骨格を支える力が低下するので怪我や骨折をするリスクが高まり、筋肉による代謝が小さくなるため太りやすい体質になってしまったり体内に毒素が溜まりやすくなり、内蔵機能の低下、血液循環の低下に繋がります。

 

筋力の低下は運動機能の低下に繋がり、将来寝たきりにならないためにも、筋力が著しく低下しないように最低限の運動はした方がよいです。

 

仕事で体を動かすことが多かったり、荷物を運んだり、よく歩いている人は筋肉を使っているかもしれませんが、同じ筋肉ばかり使っているかもしれません。

偏った筋肉ばかり使っていると筋肉の全体的なバランスは崩れやすくなり、腰痛や首痛などの慢性痛が起きる原因になっているかもしれません。できるだけ全身のバランスを意識して筋肉を使うようにした方がよいと思います。しかしながら仕事でそれを行うのは難しいため、プライベートな時間で筋トレをする必要があります。

 

お仕事が室内中心でほとんど出歩かない人は深刻な運動不足に陥っている可能性があります。筋力が弱り出すと鍛え直す時に負荷が掛かるため、疲れることを避けて運動をしなくなってしまう人が多いのではないでしょうか。

 

疲れるとマッサージを受けたり、スパに行ったりすることで疲れを回復させている人もいると思いますが、筋力が向上することはなく、ただゆるめるだけでは脆い状態になってしまうかもしれません。

 

筋肉は何歳になっても鍛えると発達してくれます。もう年だからと思わずに、できることから筋トレを行うことは自分の老後を豊かなものにしてくれます。

 

筋力が衰え、代謝が低下すると食べ物を消化するエネルギーが低下し、おいしいものが食べられなくなってしまうことに繋がります。運動不足から慢性病になり、食事制限を言い渡されてしまうかもしれません。

そうなる前に筋肉を強くしていけば慢性病の予防にも繋がり、怪我のリスクも減らし、いつまでもおいしいものが食べられる体質を維持することに繋がるのです。

 

私が注目していただきたいと思う筋肉は「大腰筋」です。全身の筋肉を鍛えることは大切ですが、優先順位も必要です。

 

「大腰筋」は上半身と下半身を繋ぐインナーマッスルで足を上げるなど、歩行運動を支える筋肉です。

大腰筋は腰の脊柱と大腿骨を繋いでおり、私たちが二足歩行ができるのはこの大腰筋の発達によるものです。

 

大腰筋は歩行の際に足を引き上げたり踏み出したりする動きを担っています。スキーやサーフィンなども大腰筋を使うことで動きが可能になっています。

 

この大腰筋は姿勢筋でもあり、立ち姿が美しく、動きが柔らかく若々しい人は大腰筋が発達していると言えます。

反対に腰が曲がり、動きがぎこちなく、歩幅も狭く転びやすい人は大腰筋の衰えを気にする必要があります。

 

大腰筋はいつも座ってばかりの人や、楽な姿勢で過ごして運動不足になっている人にとって使っていないことがよくあります。

使っていない筋肉はすぐに衰えます。すると姿勢が悪くなり、運動能力が低下し、疲れやすい体質になっている可能性があるのです。

 

将来、寝たきりになってしまう可能性もあります。年を取って転びやすくなり骨折などから寝たきりになってしまう人がいますが、大腰筋を鍛えていけば、そのようなことにはなりません。

 

上半身や下半身の筋肉を鍛えるのも大切ですが、上半身と下半身を繋ぐ大腰筋を鍛えるということは体の大黒柱を強くするのと同じで、活動すべてによい影響が出ます。

歩く動作、物を持ち上げる動作、運ぶ動作などに安定感を生み出し、左右のふらつきなどが無くなります。また腰に力が入るようになり、長時間立つことや作業全般が安定し、疲れにくくなります。

 

ではどのように鍛えていけばよいのでしょうか。

 

まずスクワットです。

 

スクワットがきついと感じる人は椅子の背もたれに両手を置いて、体を安定させ、無理のない範囲で行ってください。

背筋は曲げずに腰から曲げます。この時、腰椎の下の方を支点にして、そこから上がるイメージで行います。つま先が膝より前に出ない角度を意識します。

お尻を後ろに突き出すイメージです。椅子に座るように思い切って後ろにお尻を出します。実際に椅子に座るように行っても構いません。膝の角度はつま先が少し外を向くようにします。

少し広めに足を広げて行いますが、ご自分の体の状態に合わせて行ってください。わからない人は専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

 

とにかくスクワットは大腰筋だけでなく、足腰全体によいです。太りにくく代謝のよい体にするために優先して行うべき運動です。スクワットを習慣にすると体力がつき、将来寝たきりになるリスクがかなり弱まります。慣れるまでは大変ですが、慣れると苦しくなくなりますので辛抱する必要があります。決して無理せず、自分のペースで行ってください。わずか5回でもやらないよりはるかによいのですから。

 

次に椅子の背に片手を置き、片方の足を直角に上げて、そのまま宙にあげたまま後方に移動し、その位置から元の膝をあげた位置に戻し、足を下ろすという動きが有効です。

文字だけで説明するのは難しく、興味がある方はぜひパーソナルトレーニングを受けてください。

 

その他にも椅子に座って太ももを上げる運動、両膝立ちや片膝立ちをした姿勢から体を側屈する運動、体を回旋する運動などが有効です。これらの体操に関しては説明が難しいので省略します。

 

私はヨガの三角のポーズやねじった三角のポーズ、半月のポーズなどが簡単で効果的な体操だと思います。その他にも太極拳の動きを応用した足を上げて横や前、斜めに踏み出す動きなどをゆっくり繰り返すことが有効です。マシンを使って負荷を掛けるより、自重を使って気持ちよく行う方が無理なく鍛えることができます。

 

またヨガや太極拳の動きは鍛えるだけで無く緩めることもできます。つまり一方向に鍛えるしかできないのがマシントレーニングですが、動きの中で緩めて動かして強化すると、大腰筋が目覚めます。

 

大腰筋は目覚めさすことが大切なのです。

 

大腰筋が目覚めると全身の筋肉が連動して動きやすくなり、バランスが整います。すると慢性痛で悩むことも少なくなっていきます。

 

ゴルフやテニスなどを楽しみたい方も大腰筋を目覚めさすと若々しい動きができるようになり、パフォーマンスも上がります。

若い頃のような活力は戻って来ないかも知れませんが、何歳になっても自分の足で歩き、好きなことができる体を維持するためには筋肉を鍛えることが大切ということを書きましたが、

ただ漠然と行うのではなく、どこの筋肉を鍛えているか、どのように行うかを理解し、計画的に行うことはとても大切です。

 

多くの方が大腰筋という大切な筋肉の存在を知らずに、鍛えることも緩めることもしていないというのが事実なのです。

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