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2015/8/18

うつによる自殺を考える

世界中で一年間に自殺する人数は60万人を超えるそうです。事故に見える自殺も含めると倍以上ではないでしょうか。また、自殺行為を繰り返して病気になり、早死にする人も大きな目で見れば自殺と言えるでしょう。自暴自棄になり、ドラッグの乱用、アルコールの過剰摂取、無謀とも思える行為を繰り返し、その結果寿命を縮めるのなら天寿を全うしたとは到底言えません。死ぬことを恐れていないとうそぶいても死ぬ時にどれだけの心境になれるというのでしょう。後悔先に立たずです。

 

そんな中、自殺した人、未遂を繰り返す人に対して健常な精神を持った人は理解をすることができません。なぜ、このようなことくらいで死を選ぶのか、いくらでも状況を変える手立てはあったのではないかと不思議に思います。私も自分が深刻なうつ病になる前は理解ができませんでした。

 

それほど、うつ病、統合失調症による自殺願望は深刻なのです。誰も止められません。まず、身近にそのような症状の方がいるのなら、治療が必要です。一刻も早く適切な治療を受けなくては事態は深刻です。

 

ではどのような治療が必要なのでしょうか、私は医者ではありません。医療の専門知識がある訳ではありません。そのことを前提に、私自身が体験したことを通してわかったことをお話ししてみたいと思います。

 

自殺願望が強いうつ病、統合失調症、パニック障害などの精神疾患が認められる場合、通常抗うつ薬や、抗不安薬などの対処療法がとられます。これに対して有益かどうかは言えませんが、根本治療になるかと言えば、それはありえないのです。また、抗うつ薬は強い副作用があります。当然因果関係は立証されていませんが、私の場合、副作用により、精神的にも悪化したという実感がありました。薬には適合するものを適したタイミングでとらなくてはなりません。薬による治療を選ぶのであれば深い知識と、丁寧に相談に乗ってくれる人格的に優れた医者を選ぶべきです。医者を間違えたために自殺へ拍車をかけてしまったケースもあるのです。私の経験上、人格的に優れた精神科医もいます。そうでない人もいます。少しでも不安があるのならいい医者を探してほしいと思います。

 

 

私がお勧めするのは光線療法です。私自身、光線療法によって深刻な精神疾患から立ち直ることができました。私の症状は深刻でした。心の奥に潜んでいた恐怖がとめどなく湧き上がってくるようでした。テレビも新聞も雑誌も怖くて読めません。外に出るのも怖くてできません。電話も出れません。家に誰かの写真があるとそれだけで怖くなるのです。人間恐怖症のかなり重症でした。さらにパニック障害の発作が四六時中続き、毎日真夜中に震えていました。寝ていることもできないのです。ただ、過ぎ去るのを待っているだけです。その時間はただ苦しく、つらく、一秒をつなぎ合わせて生きているという状態でした。さらに、体中に痛みがあり、その痛みでさらに気が狂っていくようでした。目の痛みが特につらく、目を開けていられないのです。痛みは頭の先から足の先まで常にありました。切り裂かれるほどの痛みです。痛みどめを飲んでも効かないほどです。

そしてさらに幻聴、幻覚が苦しめました。統合失調症の症状だと思いますが、死ね、死ねという声がいつでも聞こえるのです。今、死なないともっと苦しむぞ、という声が頭から離れません。それで、私はいつでも死ぬことが頭から離れなくなってしまいました。

何が自分を苦しめるのだろう、だんだん弱っていく中で追いつめられていく中で、自分の中にあるエゴの存在を感じました。すべての原因は自分の中にあるエゴの塊です。それは長年共存していた存在が、一気に自分を乗っ取ってきたかのようでした。私が特に強烈なエゴの持ち主だったということではないと思います。私は病気を発症する前に自分のエゴについて気づきを得ることがありました。そして禅やヨガに傾倒していったのですが、私は自分のエゴを通して集団的なエゴをも見てしまったのです。これについては説明を省きますが、すべてはプロセスによって導かれた結果だったのです。私はエゴによる不幸について体験し、考えさせられ、奇跡的とも言える回復を経て人に伝えることを役割とすることができたのです。

 

毎日死にたいという強烈な思考に襲われる中で、冷静な自分をどうにか見ようと努力し続けました。しかし、道路に飛び出したり、どうにかして事故に見せられる死に方を見つける毎日でした。そんな中、大きなきっかけがありました。幻覚、幻聴を見せるのは悪霊などではありません。すべては自分のエゴのエネルギーであるとわかったのです。エゴのエネルギーは時には強烈です。人を自殺や他殺に追い込むこともできます。しかし、そのエゴがどうしても勝てない相手がいます。それはエゴの主人の意識のパワーです。それはエゴと分離した意識です。エゴは常に過去と未来にいるのです。エゴが唯一立ち入れない聖域、それが今、プレゼンスなのです。プレゼンスの意識は特別な能力などではなく、誰でもいつでもそれを持つことができます。今、ここ、に在ることです。私の場合、死ね、死ね、という声に対して、「何度来ても絶対に死なない、これはエゴの声だ、自分がそれを見極めればエゴは消滅するしかない、だから何度来ても無駄だ」と宣言しました。これはエゴとの分離を生み、自分がプレゼンスにいることを意味していました。本当にギリギリのところまで追い込まれて、それまで強烈に恐怖を抱いていたエゴのエネルギーに対して、自分のエゴの塊であることを見切って、プレゼンスの意識を使ってエゴと対峙したのです。その時から幻覚、幻聴は消えて行きました。そしてその自分の底力を発揮すると同時に出会ったのが光線療法なのです。知人を介して知ったこの療法に対して、直観で「これだ」と感じました。体が冷え切って、薬害で体の循環が著しく悪化し、生命エネルギーが枯渇していた私は何かの助けが必要だと感じていました。

 

最初は気功を受けていたのですが、まったく効果はありませんでした。鍼灸などもまったく効果がありません。治療師自体がまったく原理がわかっていないので、的外れの治療を繰り返していました。そんな時に光線療法を受けて、私は直感でこれしかないと思ったのです。近くに光線を受けられるところがなかったので、私は迷わず光線機を購入し、自宅で毎日照射を始めました。統合失調症やパニック障害がまず劇的に改善し、体の冷えが改善すると共にうつ症状や体中の痛みが消えて行きました。一番ひどい時は寝たきり状態になっていましたが、光線を始めて一年で外出も普通にできるところまで回復し、その後半年ですべての薬を卒業できるようになり、完全復活と言えるところまで行ったのです。

 

私の経験では薬治療だけでは到底回復はありえなかったと確信しています。そして、医者も治療師もこのような精神疾患に対しての理解があまりにも浅いと感じました。私は何件も病院に行きましたが、お手上げか、的外れな診断をするところばかりでした。

 

私が一番伝えたいことは、道理を持って治療を受ければどんな症状でも回復するということです。自殺のニュースを聞くたびに残念でなりません。本当は自殺しないで済んだのです。自殺しなくてはいけないと思い込むのは脳の誤作動です。薬では解決しません。しかし治すのは簡単ではありません。私と同じ体験をしたら恐らくほとんどの人が自殺を選んでしまうと思います。私は自分が潜在的に望んでいたために、必要があってとことん体験させられたのです。そこまで行かないと私は目覚めることができなかったのです。私はそこから生還できたという経験を一人でも多くの方に生かしたいと強く思っています。医者じゃなくてもできることがあります。医者の治療ではどうにもならない、追い込まれた方は最後に私のところに来てほしいと思っています。

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