子供の「くる病」増える

NEWS

子供の「くる病」増える

2015年07月20日 月曜日

朝日新聞の7月18日付の記事に、O脚や背中が曲がるなど、子供の骨が柔らかいまま十分に成長できず発育不良を起こす「くる病」が増えているという記事がありました。最近骨粗鬆症の記事とともに良くこの報道を目にします。発症の原因はビタミンDの不足です。栄養状態が悪かった過去の病気と考えられてきた「くる病」ですが、日光を過度に避けることにより近年再燃してきていると言います。

 

くる病は栄養が慢性的に不足していた19~20世紀初頭には「ありふれた病気だった」ようですが、栄養状態の改善と日光浴により戦後はほとんど見られなくなりました。

 

それが、1980年代以降、症例の報告が相次ぐようになったというのです。

骨のもとになるカルシウムを体内に取り込むのに必要なビタミンDは紫外線が皮膚にあたることで進みます。ところが近年、紫外線が皮膚がんにつながることへの不安が高まり、子供の外出を控えたり、日焼け止めを常に塗ったりして、過度に紫外線を避ける習慣が広がってきました。かつては母子手帳に日光浴を勧める記載があったのが、現在では野外の新鮮な空気に触れさせる「外気浴」という言葉に置き換わっているようです。

 

人間は紫外線を浴びることにより、ビタミンDを合成し、ミネラルの吸収を活性化しているという、生命の維持にとってとても重要な働きを忘れて、その害ばかり説くようになっています。その結果多くの症状が生まれてきていることを厳粛に受け止め、太陽の恩恵に思いをはせるべきではないでしょうか。

 

日光浴は急激に行うべきではありません。毎日の生活の中で少しずつ散歩やジョギング、昼休みに外でランチを食べるなど、自分の生活の中に戸外で過ごす時間を増やしていくことで、日光に肌を馴らしていくことが大切です。子供たちにも思いっきり外遊びをさせてあげましょう。暑い日の水分補給はたっぷりと。そして紫外線を肌に浸透させない日焼け止めはほどほどに。