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2015/8/3

無抵抗こそが最善の結果を生む

戦うために私たちは生きているのでしょうか?戦うことはとても疲れます。そして未来に対しての不安へとつながります。戦うことの先に平安はありません。いつまでも続く無限の暗黒への入り口です。

 

戦うことを止めるということは無抵抗になるということです。安倍首相は泥棒が増えて来たから戸締りを強化すると言いました。しかし、戸締りに留まらず、用心棒を雇っていつでも臨戦態勢をとることがしたいようです。

泥棒が増えてきたら戸締りは必要です。セキュリティを強化するのは理解できますが、いつでも臨戦態勢を整えておくのは違うと思います。

 

呼吸法の中から学んだことは未来を自分であれこれ考えない、憂いない、未確定の未来を受け入れるということです。未来はお任せします。その分、今、この一瞬を生きるのです。すべてを受け入れ、すべてを委ねる、それが自然の摂理に則った生き方で、自ら不幸を抱え込まなくて済む、唯一の方法です。つまり無抵抗になることこそ、未来を最大に幸福にする道なのです。逆に言えば抵抗すればするほど、不幸を抱え込むことになるのです。状況は悪化します。もがけばもがくほど悪化します。すべての人間が争うことを止めれば抵抗も無抵抗もありませんが、現実には無抵抗の道を選ぶことが最善であると私は思うのです。

 

例えば、いま、いじめられている人がいると思います。なぜ、自分がこんな目にあうのか、くやしくて、つらくてたまらない人もいると思います。

そんな人に無抵抗をすすめます。抵抗するということは今の自分がもがくことです。恐らくそれは正面から向かっていくことではなく、小細工することになるでしょう、そのことが状況を悪化させるのです。自分ではわかりません。どうしたらこの状況から抜け出せるのか、それで、もがく、そして抵抗することは小細工になり、さらにいじめを増長させてしまうことになっているのではないでしょうか?

 

小細工は止めましょう。今の自分が何をやってもいい方向には行きません。何かが間違っているのです。でもそれは自分ではわからないのです。だから苦しいのです。いじめられる状況を作ってしまったのは自分なのです。でもそれを受け入れられない。そして原因を他に求めますが、すべては裏目に出ます。それは社会に出ても図式は変わりません。国外に出ても変わりません。日本だけが特別なのではありません。どんな国、どんな社会でもいじめは存在するのです。それが現実です。

 

では、なぜ、いじめられるのでしょう。それはいじめられている本人には理解できないと思います。ですから無抵抗と言う最大の武器を持って立ち上がるのです。無抵抗という武器は小細工ではありません。あれこれ自分で考えなくても、いつでもやることは同じです。今日も、明日も、その次も、やることは同じです。それだけでも心が落ち着くのではないでしょうか?そして、無抵抗こそ最大の武器であるという意味がやってみて初めてわかるのです。それは自分が変わるからです。もうすでにいじめられる原因になる自分はいません。徹底して無抵抗になるということは実は強いことです。真に強い者しかできないことなのです。

それは、やせ我慢をしているということではありません。真の自分に出会い、その自分のまま生きるということは強い生き方だからです。これまで小細工をしていた自分の生き方が滑稽に思えると思います。小細工をしていた時はなんて苦しかったんだろうと気づくのではないでしょうか?そうしているうちにいじめはなくなります。いじめる側がいじめることができなくなるからです。なぜかと言うと、それがホメオスターシスの働きだからです。

 

無抵抗になるということは、今を精いっぱい生きるということです。決して逃げてはいけません。逃げることは苦しみを続けることになります。

どんなに苦しくても、いつまで続くんだろうと思っても、逃げずに無抵抗を貫けば、どんな不幸も過ぎ去っていきます。必ず消えていきます。それが真理です。消えていくものをまた追いかけていつまでも掴んでいるとまた続いてしまうのです。ですから、心を静かにして過ぎ去るのを見つめるのです。その心を静かにする極意が無抵抗なのです。

 

自分の心が常に静まりの中にいて、逃げることから受けいれることへと変わると、すべてのことが好転するのです。今までの自分とは違う自分が現れます。それは、今を大切に生きるということです。どんなことでもいいですから、自分の生きる目的を見つけるのです。必ず自分にしかできない天に与えられた天職があります。それをするために生まれてきたということを思い出し、そのために最大の努力をしていくのです。勉強が必要なら迷うことなく没頭することです。腕を磨く必要があるのなら、一心不乱に磨き続けるのです。どんな道であろうと、人と比べずに目的を持って生きている人間はいじめられることはないのです。

 

肌の黒い子供は少年の頃、それだけでいじめられることがあります。しかし、混血であるがゆえの身体能力はずば抜けていて、野球やサッカーで頭角を現し、いつの間にか人気者へ、そして尊敬される存在になった人はたくさんいます。必ず意味があってその場に置かれているのです。小さな抵抗は状況を悪化します。

 

安倍首相が言っていることは私には違和感があります。本当に憲法を変えることは必要でしょうか?無抵抗に徹した時、日本の真の姿が明確になり、一気に世界平和へと舵をきるのではないでしょうか?後戻りするような空気を感じざるをえない政策に、岐路に立った日本の在り方を一人一人が深く考えなくてはならないと思います。

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