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2024/6/14

病気克服のために ⑥過去をくよくよしない

自律神経失調症、うつ病、慢性痛、神経症、胃腸、膀胱の過敏症、不眠症など病院でなかなか改善しない体調不良の方に私自身の闘病体験、治療師としての体験から得た病気克服のために絶対に知ってほしいことを書いています。あくまでも個人的な感想ですので参考になると思われた方のみお読みくだされば幸いです。病気克服のためシリーズはまだ続きますが、ぜひ合わせてお読みください。病院や治療院に頼らずに病気体質から健康へ戻るためのエッセンスが満ちています。

過去をくよくよしない、これは病気体質を変えるために本当に大切なことです。過去は終わったこと、過去は忘れよう、このような言葉はよく聞きます。

しかしほとんどの人ができる時だけ適当にやるだけではないでしょうか。

私は徹底して過去はない、と思うことをお勧めします。過去は本当に無いのです。

それなのに多くの人は過去に引きずられ生きていることに気づいていません。過去を引きずる思いが病気を作っていると知らずに。

どうしても許せない人がいる。親に愛されていなかった。友達に裏切られた。信頼していた人に騙された。人を信用できない。他人に対して拭いきれない心の傷を持っている人は多いと思います。

ひどいことをしてしまった、あんな行為をしてしまった自分がゆるせない、自分はどうしようもない人間だ、自分は生きている価値がない、このように自分に否定的な気持ちが向いてしまっている人も多くいるのではないでしょうか。

過去にあったことをいつまでも忘れずにいる人は他人に寛容になることができなくなります。最近はネットで自由に自分の意見を書き込めるようになり、批判的な言葉で多くの人が傷つけあっています。その裏側には正義という大義があるようです。正しいことを自分は言っている、批判されて当たり前、という言葉の凶器は自分が過去を引きずって拭いきれない感情が引き起こしていることに気づく必要があるのではないでしょうか?いかに正しいからと言って言葉を選ばずに傷つけていいわけがありません。

心の中にある人への憎悪、自分に対する憎悪が時として正義を振りかざし見えないぎりぎりのところで他人を傷つける、このようなことが最近多くなってしまったのはネット社会の台頭が一因ではありますが、複雑な情報社会で生きなくてはならない背景の中でシンプルに「今を生きる」という選択が失われ、過去と未来を考え過ぎる傾向が強まったことが原因でもあります。格差社会、成功と失敗、過去に学び未来を予想できたものが勝つ、このような合理主義、個人主義は心を疲弊させ、常に敵と味方に分け、精神的に病んでいく構造が潜んでいるのです。いずれ破滅していくことに早く気づかなければ取り返しのつかない現実が待っています。私たちは今こそ過去を断ち切りシンプルな平和を求める心に立ち戻ること、まずは自分の心の中にある自分や他人への憎悪を断ち切ることが大切なのです。

どんなに便利な世の中になっても人間の本質は失いたくありません。それは人間だからできること、無条件にゆるすことではないでしょうか。普通ゆるす時は条件がつきます。しかし過去に両親から受けた記憶で自分が苦しんでいたとしたら、そしてもう親はいなかったとしたら、ゆるすことができるのは自分自身の選択しかありません。つまり無条件にゆるすことだけです。

自分自身を解放するために無条件にゆるす、それが過去はないという本当の意味です。私たちは過去に意味があると思い込んでいます。しかし過去にはなんの意味もない、すべてを終わったこととして水に流すことができたとしたらどんなに心が楽になるでしょうか。それができるのです。できないと思い込んでいるだけです。

私が深刻なうつ病、慢性病、神経症に陥った時、過去へのこだわりが人一倍多いことに苦しんでいました。あのことがゆるせない、あの人がゆるせないなどいろいろ人への批判もありましたが、私は自分自身がゆるせないという自己嫌悪の思いで病んでいることに気づきました。私が出した結論はゆるすことで自分に癒しをもたらそう、でした。

しかしそれはとても難しいことに気づきました。すべての過去をゆるそうと何度も思いました。私はすべての心にひっかかる人をゆるした、自分自身もゆるした、何度もそのように言いましたが、その時だけそう思えるのですが、しばらくするとまた過去のことをくよくよ考え出している自分に苦しんだのです。

私が本当に自分を苦しめる自傷の念(何度も自殺を考えてしまうほどの)から解放されるためには「過去はない」と強く思うことだったのです。

病気を本当に克服したければ「過去はない」と何度も思うことです。

過去はないという価値観の中に罪意識はありません。罪を否定することが「過去はない」なのです。

誰かを許せない、許すためにはこういう条件が揃わなければ許すわけにはいかない。しかし条件は整うことはありません。世の中は不条理なことばかりです。ゆるせないと思えばいつまでもゆるせません。

その憤りはどうなるか、自分の潜在意識の中で自分の人生を苦しめてしまいます。何をするのにも自信が持てない、人を信じることができない、未来に希望が持てない、病気がよくなるとは思えない、など悲観的な考えが連鎖して強くなり自分を苦しめていきます。

本当に大切なことは「ゆるし」を選択することです。時としてゆるさないことが人のためにもなるでしょう。形としてはゆるしていないふりをしても、自分の中ではすっかりゆるしていることが大切だと思います。なぜなら自分の心が楽になるからです。どんなひどいことをしてきた人でもゆるしたら本当に心が楽になります。自分のためにゆるすのです。自分がしてしまったことも、いつまでも後悔していないでゆるすことで楽になります。それでいいのです。自分は幸せになってはいけない、自分には罪があると思い込むことで病気や不幸を作ってしまうのです。

人のしたこと、自分のしたこと、すべてまるごとゆるされるために、「過去はない」という大事な真理を強く思うべきです。本来ないのです。あると思っているのは愚かさです。野生動物はどんなこともすぐに忘れて今を生きています。今を生きることを忘れて過去に生きることほど無駄なことはありません。

そして断言しますが過去に生きている人の生命力は失われ、心も体も病みがちになるのです。

今を生きる人は病みません。悩みもありません。うつ病にもならないのです。

人より損しないように、バカにされないようにと過去と未来ばかりに気を取られている人は心から病み、仕事の質も低下してしまいます。思わぬ失敗が多くなり選択を誤り、人とぶつかり、人生は全くもって思い通りいかないと思い知ることになります。

今を生きることを大切にしている人は直感に優れ、選択に迷いがなく、仕事の質が高く、人間関係もうまくいきます。なぜなら過去にあったことをほじくり返すこともないため、周りの人が救われるのです。いつもさわやかで新鮮な気が満ちている。未来に何が待っているかなど考え過ぎずに今をしっかりやっていれば最善な未来が待っていると自然に信じられる。今がどんなに滞っていたとしても、今やれることをやっていれば必ず未来は明るいと思えるようになります。

すると病気になることもなく、心も希望が満ちてきて悲観的な考えも出なくなっていくのです。

過去はないという価値観は病気さえも無くしてしまいます。

なぜなら多くの病気の根底には罪意識があり自分に対する嫌悪感、人に対する不信感、失望感、攻撃心などが常に潜在意志に横たわり健康秩序を破壊していくからです。

食生活や生活習慣もそのような潜在意識によって思い通りにいかず、つい不健康な方へ向いてしまうのも自分に対する嫌悪感が原因でもあるのです。

「ゆるす」ということは健康への鍵でもあり、この世から戦いを無くしていくための鍵でもあります。

一人一人の心の中に「ゆるせない」が少しずつ消えていき、過去を捨て、新しい細胞に生まれ変わることを選択することができるようになると病気も争いも少なくなっていくと思います。

現在病気の方は過去をくよくよしても何もいいことはないと気づき、できるだけ「今にいる」ことを選択してください。今できること、散歩でも日光浴でもできるだけ「今」を感じながら過去を思い出してもすぐに切り替えてあれこれ考えだしている自分に気づいて修正していきます。考え出すと結局、誰が悪い、あれが悪いと判断してしまいます。過去のとらわれ、執着からも解放されることで健康は戻ってきます。

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