ホームページもリニューアルしましたのでぜひごらんください。田園調布で開院してから10年が経ちました。院長としましては約20年、整体の仕事に取り組んでいます。
様々な健康に関する勉強を続ける中で整体も内容が広く深くなってきました。
なぜエクスペリエンスという名前を付けたかと言いますと、エクスペリエンスは日本語で体験を意味します。健康というものはすべてが体験であるという私自身の実感から名付けました。
整体という言葉の意味は広く、日本には多くの整体があります。そしてやっていることもそれぞれです。いろんな整体に行ったことがある人なら整体院によってやることも言うことも違うなと感じておられると思います。
私はとても繊細な施術を行います。時にはストレッチのような手技を行ったり、痛気持ちいい刺激も行いますが、多くの時間を静かで優しい施術に置きます。頭や首、仙骨、お腹などに手を当てて静止します。わずかなゆらぎなどを起こして皮膚や筋膜がゆるむのを待ちます。さらに待っていると関節や内臓などが緊張をリリースしてきます。するとどうなるか、例えば血流や体液が流れ出し、解毒が始まったり、神経の誤作動がリセットされたり、いろんなことが起きてきます。
人間の体はいろんな理由で本領発揮ができなくなっており、疲れが抜けないどころか蓄積していく、神経が休まらなくなってしまう、内臓の調子がどんどん崩れていくなど、健康秩序から遠ざかっていく流れをどうすることもできなくなってしまうことがあります。
体を触るとその人が現在抱えている問題点が浮かび上がっています。例えば頭が固くなっている、首が動かなくなっている、背骨が歪んでいたり動かなくなっている、お腹が硬くなり、内臓全般が機能低下しているなどいろんな不調が現れています。
一度の施術で元通りになることはありませんが、元の状態へ近づけてあげると体はどのように整えていけばよいかの指示書を受け取ったかのように自然に回復する力を発揮しだします。
まず何よりも深いリラックスを体験してほしいのです。神経がリセットされ子供の時のように体がゆるむ安心感を体験してください。そして筋肉にいつも力みや緊張が続いていたことに気づくことができると思います。
それは0(ゼロ)の体験です。私は常にゼロの状態を意識して整体を行います。これは誰でも生まれてきた時に体験しているもので、ただ何もない状態を気持ちよく感じているということになります。普段は余計なことを考え過ぎてしまい、神経が過敏になっていたことに気づくと思います。いろんなことに抵抗している状態です。私の体験からこれらは解放の体験ということができます。何からの解放かと言いますと、いろんなものからの解放です。
私たちは生活の様々なしがらみから解放されたいと実は思っています。寝ている時でさえ何かを心配して求め続ける、探し続けることで疲れ切っています。探求することをいったん忘れ、深い静止、休息を体験することで健康秩序が戻ってくるのです。このゼロの体験を私は整体で再現したいと思い、いろいろと研究をしてきました。
ここでいろいろと御託を並べても意味がありません。体験がすべてだと思います。それでエクスペリエンスとしたのです。まああまり深い意味はないと思っていただいて構いません。ただ同じように体に触れていても10年前、5年前、1年前と現在は違います。私なりに体験を深めてきたからです。私の気持ちが揺るがなくなるに比例して患者さんの体も変わるようになっていきました。これは難しいことではなく、整体を真剣にやられている先生方は共通している感覚だと思います。このようにすれば神経がリセットされる、これ以上やるとやり過ぎになり、逆効果になるとか、体験の中で学ぶことがたくさんあります。整体は本当に奥が深く、わずかな刺激の方が大きな変化が現れることが多くあります。また施術する側がでしゃばりすぎてだめになってしまう、これは会話でもよくあることだと思いますが、しゃべりすぎて失敗してしまうことがあると思います。
整体でも施術者がどうにかしようとすればするほど大したことは起きません。どちらというと患者さんの体を痛めてしまいます。繊細な患者さんは自分の体を痛めつけられたように感じたり、変わるように強要されたように感じたり、施術者の理論や技術を押し付けられたような感じを受けます。
そこには現場がありません。常にそこにある温度や空気がなければ一体感は生まれません。
私もまだ未熟ですがこの一体感を大切にしています。
私が健康を疑っていないから、健康になる道筋をしっかりと見ているから一体感は安心感として伝わります。これは私の妻が鍼灸を担当していますが、鍼灸においても大事にしている感覚です。
私はご自分で行うトレーニングも重視しています。ここでもあらゆる体験が自分自身を変えていきます。ただ立つということだけでもいろんなことを体験することができます。いかに無駄な力を抜くか、自由に動ける立ち方になっているか、疲れにくい立ち方になっているか、すべてを教えてもらうのが大事なのではなく、わずかなヒントから自分の体験を深めていくことが何より大切なのです。それによって体験が自分のものになり、揺るがない自信につながります。極意をつかむということになります。そこからいろんなものの中心を見抜く力が養われてくるのです。立ち方がわからないと歩き方はわかりません。走り方もわかりません。
呼吸法も私はとてもいいものだと体験してきました。呼吸法をするだけで筋肉はゆるみ、関節は整い、血流は促進され、毒素は排出される。その日受けたストレスも消えていきます。その他にもいろんな効果があります。しかし私がすぐにできたわけではありません。18歳の時に西野流呼吸法に通いだしたのがきっかけで、そこから約40年、いろんな先生に教わり、自分でも実践して少しづつわかってきたのです。とても不安恐怖が強く健康を損ねている人に呼吸法でよくなるかと聞かれたら、本質的には呼吸法でよくなるのですが、それを実際に行う方次第だと答えます。
呼吸法の実践が未熟であれば結果はなかなか得られないでしょう。そして恐らく3日くらいで諦めてしまう方が多いと思います。呼吸法では治る気がしない、私はやったけど大したことなかったなど、呼吸法を消してしまうだろうと思います。でも真実は違います。ただやり方が違ったのです。もっと繊細に1から練習して2,3と体験を重ねていくことが大切なのです。そしてやり方さえわかればどなたでも必ず結果がでます。ただそのやり方をネットやお近くの教室で教えてもらえるでしょうか?
答えはわかりません。健康状態も人それぞれです。ある程度健康な方に向けた有益な情報は拾えると思います。当院に来られた方に呼吸法を勧めても、これまでにテレビやネットで見た情報にて固定観念ができていて、新鮮に聴いてくれる人は少ないのです。私が有名であれば話は違うのでしょう。私が無名ということで呼吸法も軽くしか聞こうとしない。結局どうなるかというとやらないのです。
それでも通院してくださる方に根気よく呼吸法を勧めます。決して無理には言いません。私は辛抱強いのです。1年後くらいに呼吸法をやってみましょう。まずは基本から、そして初めてやる気になる方もいます。先生、ずっと呼吸法だとか姿勢だとか言ってましたね、それだけ言うのなら大事なのですね、と気持ちが変わり、呼吸法がやっと日課になることもありました。
大切なのはどんなところに自分を変えてくれるメッセージが隠れているか、わからないということです。私が言うことだけでなく、思いもよらない人が大切なメッセージを伝えてくれることがあります。ですからすべてを新鮮に受け止めることは自分を救います。
先入観を捨てて体験をすることに意識を向けてみてください。どんな小さなこともまったく新しい体験をしていると初心の気持ちになることで全身の感覚が養われていきます。
当院では光線療法も受けられる施設ですが、光線療法も先入観をもたずにぜひ受けてみてください。身体が喜んでいるか、精神が安らいでいるか、あるがままを観察してみてください。それによって自分の体が何を求めているのか知ることができるのです。人に意見を求めることに慣れてしまうとこのインスピレーションがどんどん衰えます。何をしたらいいのか常に迷い、何を聞いてもだめそうだと勝手に判断してしまうことにつながってしまいます。