不眠症で悩んでいる方は少なくありません。今回は不眠症について書いていきたいと思います。
不眠症に陥っている方のほとんどが眠ることを考えすぎてしまっています。眠りたい、眠れなかったらどうしょう、なぜ眠れないのか。
不眠症を克服する最も簡単な極意は「眠ろうとしない」ことです。
眠らくちゃ、また眠れなかったらどうしよう、このように思うから眠れないのです。眠れなかったら眠らなければよいのです。腹を決めて眠くないのだから眠らないと思って起きていればよいのです。但し脳を刺激するようなことはせずに、体を休め、脳を休める時間を摂っていればよいのです。
リラックスする音楽を聴いたり、リラックスする本を読んだり。ゲームはお勧めしません。
本当に眠りたくなったら起きてはいられません。そのようになるまでなにもしないで待っていればよいのです。本当に不眠症を治したいのであれば、翌日睡眠不足でも問題のないように長時間の運転を避けたり、機械の使用を控えたりしてはどうでしょうか?
実は眠りたいと思う気持ちが自律神経を刺激してしまっているのです。眠りたいというのは欲のひとつです。すべての欲から離れた状態、脳の活動が無くなった状態を持つことが大切です。常に脳の活動がない状態の人はいませんが、一日の中でいくらかは脳が活動をやめた状態を持つことが大切です。これは闘病中の人にも当てはまります。自然治癒力を高めるには脳が安らいでいる状態、あらゆる欲から解放されている状態を作ることが大切です。特に精神疾患を治していく場合、これが重要です。治りたい、治したい、楽になりたい、眠りたいと思うことは自然なことです。しかし、一日のうち、わずかな時間でも何も考えずにありのままをただ、受け入れている時間を持つと、とてもよいことが起きるのです。
普段、人間の脳はあらゆる欲で働きすぎています。働くといっても脳の機能を広く使っているわけではなく、欲の達成のために疲労してしまうのです。自宅や旅行先で休息を摂ろうとしても、疲れが取れないのは脳の疲労によるものです。なぜ脳が疲労してしまうのか、それは欲によって常に脳が活動を停止することがないからです。
例えば休日であっても、夜間の休息時間であっても、脳は常に欲によって使われています。ネットで情報を探すのもそうですし、買い物を楽しんでいる時間も脳が活動をしています。友人とSNSやラインをしている時もリラックスしていると思っているかもしれませんが、脳は活動したままなのです。
仕事から離れ、友人とのおしゃべりやネットでの買い物がストレス発散で健康的と思っているかもしれませんが、そうとは限りません。もちろんその時間も必要かもしれませんが、脳の活動を完全に停止する時間を持つことがとても大切なのです。
そのためにヨガや禅では瞑想をしますが、瞑想と難しく考えずに、あらゆる欲を手放す時間を少しだけ持つだけでよいのです。
だからと言って修行が必要だと考えなくてもよいのです。完全に無念無想にならなくても、耳を澄ませ、ただ、今ある幸せに気づく時間をとるだけで脳は休まります。生きているだけでも幸せと思えることが本当に有難いことなのだと思います。何が無くても、計画通りものごとが進まなくても、すでにある豊かさに気づくことはできます。
不眠症の人は眠りたいという気持ちでさえも欲の一つであり、それが心の妨げになっていたということに気づくだけで静かな心と安らかな心が蘇ってきます。
眠らなくてもよいのだと思っていれば、いつの間にか脳は自然のリズムを思い出します。眠りは自然のリズムと関係があります。できるだけ自然を感じる生活を思い出しましょう。朝日を顔に浴びて、季節の風を感じて、花や木の香りを感じる生活を思い出しましょう。