丹田呼吸法の説明の続きです。前回のブログをまだお読みでない方はそちらからお読みください。
丹田を思いながら呼吸をゆっくりと自然のリズムを思い出しながら行うのが丹田呼吸法ですが、丹田がよくわからないとおっしゃる方がよくおられます。
私も長年、丹田とは何か分らない時期がありました。私の答えがすべてではありませんが、参考にしていただけるのであれば、丹田は考えてもわからないということです。知識では理解することはできません。
しかし丹田という言葉はよく聞きます。武道の達人であったり、最近は音楽家や舞踏家、運動選手などからも丹田という言葉を聞くことができます。
丹田とはこういうものか、なるほどこれが丹田か、と体得された方は丹田を感覚でわかっているのであり、説明することは難しいのです。
丹田は気が落ち着くところです。力を入れるところではありません。よく下腹に力を入れて、と言われることがあります。そのため丹田呼吸法でも下腹に力を入れてしまう人がいるのですが、それは違います。丹田は力を抜いた状態で、気が静まっていくところと思ってください。
気が静まっていくところ、この場合の気は生命エネルギーと言うこともできますが、気持ちと思ってください。あらゆる思考、不安やあせり、怒り、苦しみなど、もしくは抑えきれない欲なども静めていくところが丹田です。
怒りが出ても、不安がでても、丹田に呼吸を落としていくことで丹田がそのつらい感情をすべて吸いこんでくれます。欲望に流されそうになった時、丹田を思って呼吸法を行うと、スーッと欲望が丹田に吸い込まれていきます。丹田とはこのようにあらゆるつらいものが吸い込まれていくものと思っていただくとよいでしょう。
この時、丹田には力をいれません。ただ丹田を思って呼吸を繰り返すだけでよいのです。丹田は元々存在するのですから、何度もやっているうちに感覚としてわかってくるのです。
私なりにわかったことで言えば、座っている時に体の重みを受け止めるところが丹田です。丹田に重みを感じて、あとはすべて力を抜くことがとても大切です。力を抜くために丹田を思うのです。
また胸からお腹、下腹へと膨らませるように息を吸うことで丹田ができてきます。この時横隔膜が動き内臓の緊張が抜けます。これによって自律神経が整うのと同時に全身に血流が行き渡る感覚が出てきます。
私は呼吸法を使い分けます。行っているうちにお腹を膨らませる感覚は小さくなり、呼吸自体も静かで長くなってきます。この段階になると全身に意識が広がってきます。
ネガティブな思考が頭から離れない、不安が離れない、このような時も丹田を思って呼吸をしていてください。無理にネガティブ思考をポジティブに変えようと思っても、できないものはできません。それよりも丹田を思っていれば、どんなに強くネガティブな思考があっても自然に消えてなくなるのです。ネガティブな思考を相手にしない方がよいのです。どうにかしようと相手にすればするほどつらくなってしまうのです。