人間は誰でもミスをします。ですが、ミスをしないようにしないようにと、自分を常に窮屈にしていませんか?そういう心の状態であれば他人に対しても窮屈に接してしまいます。その結果、楽しくない環境を自らが作り上げ、病気も作っているかもしれないのです。
他人のミスに対して厳しい人は自分のミスに対しても厳しいようです。
自分がミスをしないように努力していると思っている人ほど他人のミスが許せないと思っているのではないでしょうか?
どんな人間でもミスをします。しかもよく見るとミスばかりしているのが人間です。どんなにミスを無くそうとしても完璧になどできません。必ずミスは出ます。それでもできるだけミスをしないように努力することが大事で、それを怠っている人に対して腹がたつと思っている人もいるかと思います。
しかし、ミスの量が大きかろうと小さかろうと、多かろうと少なかろうとミスは誰でもします。ですから人間はミスをするものだと思うことが心を楽にする特効薬ではないかと思うのです。
人間は誰でもミスがあって当たり前。ミスするのが人間。そう思って人に接すると優しくなれるのです。そして自分の気持ちが楽になります。
私自身もミスが多く、それで体も壊したし、仕事も結果が出なかったり、お金を損失したり、時には人を傷つけてしまったり、ミスばかりでした。しかし、どんなにがんばってもミスするのが人間なんだ、と思うようになってからはミスすることが怖くなくなりました。ミスした相手にも腹がたたなくなっていきました。しかもミスがあるから学べるんだということがわかってきました。
ミスはしない方がいいのかもしれません。しかしミスをしてしまったとしても、そこから何か大事なことを学ぶことができれば、そのミスは大きなチャンスだったということが言えます。どんな出来事にも必ず意味があります。それに対してどのように受け入れるかで人生の質が決まってくるのではないかと思います。
世の中にはミスが許されない空気が漂っています。自分のミスを認めずに他人のミスばかり指摘するような人もいます。これではどんどん息苦しい社会になってしまいます。どんなイージーなミスであってもそれを肯定してあげることができれば、ミスした人はどんなに心が軽くなるでしょうか?
人によってはどうしてもミスばかりしてしまう人がいます。ミスの少ない人からすれば信じられないことかもしれません。いくらなんでもあれはあり得ない!という声が聞こえてきそうです。しかし、そういう人は大きなミスはしていないかもしれません。人生においてしてはいけないミスは決してしない人かもしれませんし、他人のミスを笑って許してあげれる人かもしれません。そういう人によって助かっている人もいるのです。また、そういう人が周りを明るくさせていることもあります。
反対に小さなイージーミスはしない完璧主義で自分にも他人にも厳しい人がその反動で大きなミスを犯してしまうこともあります。例えばギャンブルにはまったり、お金を浪費して借金したり、欲に目がくらんで大事なものを失ったり、不正をしてしまったりです。本来はそんなことをする人ではなかったはずなのに自分を厳しく縛り付けた反動でおかしなことにはまる人もいるのです。小さなミスをしない代わりに最も大きなミスを犯してしまうこともあります。それは健康を失うことです。健康こそ人生において最も大切にすることです。健康でなければ人に優しくすることも、自分らしく生きていくこともできません。しかし、多くの人が健康というものを失う代わりに名声や富を追い求めるようなミスをしてしまうのではないでしょうか。人生においてしてはいけないミスはあります。故意に人を騙したり傷つけたり、犯罪を犯したり、資源を無駄使いしたり、自殺をしてしまったり。これらのミスに比べたら普段してしまっているミスなんて気にする必要ありません。
よく見れば人間だけでなく動物もミスをしながら生きているようです。うちの犬はしつけの問題が大きいのですが、とにかくミスばかりします。しかしそれを受け入れるとかわいくてたまりません。ミスしていいんだよ、と教えてくれているようです。野生の鳥だって魚だって実はミスを繰り返して生きているのです。どんな生物も完璧には生きていません。神様がそのように作ったということはミスの中から学ぶようにということなのではないでしょうか?
ミスをしたくなくてもしてしまう、そんな人どうしがどうにかして助け合って生きているのが社会です。自分のミスをさらけだして自分を利口に見せようとせずに、人のミスにおおらかな目で見ていられることが心の安らぎにはとても必要なようです。最近うつ病のような症状が気になっていたり、原因不明の痛みで悩んでいたりする場合は必ず心の問題が隠れています。自分の心を楽にすることができれば瞬間にしてうつや痛みが消えるということもあるのです。