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2024/1/23

光線療法と自律神経

光線療法にもいくつかの種類があり、当院で導入しているのはカーボンを約3000度で熱して光を照射するアーク型のものです。光線は太陽の光を再現するためのものであり、紫外線、赤外線、可視光線を含む虹のスペクトルが再現されます。

この太陽光線は健康を維持するためにとても大切なもので、本来なら自然界で日光浴をすることで太陽の恵みが皮膚を通して体内に入るのですが、日本人は慢性的な日光浴不足の人が実に多く、そのため健康を損なっている可能性があるのです。

ほんの数年前はまだ太陽の紫外線が体に悪いという情報が根強く、日光浴を避ける人が多くいました。

紫外線を浴びると肌を劣化させすぐ老ける。しみができる、しわができる、皮膚がんになるなどの情報を信じる人が多くいました。最近になって紫外線も健康に必要だという情報がテレビ、雑誌などでも出るようになりましたが、外を歩いていると太陽の光を避けるために帽子を深くかぶり、夏でも長袖、手袋、足は出さず、ファンデーションや日焼け止めクリームで厚くガードしているような人を見かけます。

そのような方は顔色が当然青白く、骨格も健康的でない印象を受けます。

真の健康から遠ざかってしまっているのではないかと思います。

太陽の光の紫外線は確かに近年強くなっていると感じます。肌にダメージを与える紫外線も以前より強くなっているだろうとは思います。そのため長時間の日光浴は確かに老化現象のリスクはあると思いますが、太陽の光が慢性的に不足した場合の健康被害の可能性を知った場合、考え方が変わると思います。

太陽の光を浴びていないことで起きる健康被害の最たるものは精神的な不調でしょう。自律神経の崩れ、うつ、パニック、不眠症、自閉症などとの関係性は間違いなくあると思いますし、欧米では紫外線を避けることで起きる健康被害について研究が進んでおり、積極的に日光浴をするように喚起されています。

骨が弱くなるというのも関係があります。太陽の光を浴びることで合成できるビタミンDは健康には不可欠でカルシウムやマグネシウムと結びついて骨や爪、髪などの健康を維持します。ビタミンD不足は骨を弱くしますので骨折しやすい、骨粗しょう症、慢性的な関節の痛みなどとも関係があります。

神経症といわれる病気も関係があると思います。神経過敏、神経衰弱、神経痛、ノイローゼ、不安恐怖症など原因不明の症状の改善にぜひ太陽の光を見直していただきたいと思います。

また免疫システムが弱まる、ホルモン分泌が異常になる、などの関係性もあると思います。免疫の異常の病気が近年多くなってきています。骨や筋肉、血液などの神経を伴う病気の方は太陽の光が不足していないか見直してください。多くの慢性病や深刻な難病の方が部屋に閉じこもり、大切な味方である太陽の恵みに気づいていないことはとても残念なことなのです。

体に傷ができたら太陽の光を浴びて下さい。どれだけ傷を治す力があるか、同じような傷が同時にある場合、ひとつだけ太陽の光を浴びさせることでその違いが驚くほどわかると思います。

その違いを発見した人のひとりがナイチンゲールで戦場で負傷した戦士の傷が部屋の中に入ることができずに外で寝ているしかなかった人の方が治りが早いということに気づいたという話があるようです。

また風邪をひいたときも、熱が高い時は別ですが太陽の光を浴びることで治癒が早まります。ただし、天気にもよりますので気温が寒く、風がある日は工夫が必要です。窓越しでも効果があります。

風邪や感染症の予防にも日光浴は大切で、コロナ禍の時は日光浴のすすめをよく発信していたのですが、これからも変なウイルスは発生しますので予防は大切です。

日本人は慢性的な日光浴不足であるというのは医学的に根拠のある情報で、ビタミンDの体内量が必要量に常に達していない人が8割以上だと言われています。これは関東より北の地域にお住いの方にとりましては元々の気候によるところも多く、雪国にお住いの方などは外に出る機会も減り、太陽が出ない日も多く、日光浴ができる日が一年を通して少ないという理由があります。

しかしながら関東やそれより南に住む人にもビタミンD不足が見られるのは、外にでない生活、夜型の生活などが長期間に渡って起きていることが原因なのは間違いないでしょう。

女性に至っては肌を紫外線からブロックするという習慣を強く守っている人も多く、本当のことを知らなければ本当に損をしてしまうのです。例えば美についてですが、紫外線をブロックしている人とある程度太陽を浴びている人とどちらが魅力的でしょうか?男性から見れば答えは明確に出ると思います。健康的な美の方が男性は好みます。また先ほども書きましたが自律神経やホルモン分泌が健康な人ほど肌も美しく、顔色もよく、美しくなります。精神的にも安定しますので顔の表情も豊かで骨格も健康的で笑顔も美しいと思います。歯の健康も関係していますので顔の輪郭も変わってくるのです。虫歯や歯周病も予防ができます。内臓も強くなり、食生活が乱れなくなり内側からどんどん健康になり、美しくもなるのです。

日光浴を避けている女性は体形も不自然ではないかと思います。やせすぎ、肥満を感じる方は日光浴を適度に初めてみてください。最近は男性も美の意識が強く、日傘を持っている男性も見かけます。極端にならないように気を付けるべきかと思います。

これまで慢性的なビタミンD不足に陥っていた人がこれから日光浴をすることで元に戻るのでしょうか?健康な方、病気ではない方なら大きな問題はありません。これから太陽の光の恵みを大切にたくさん光を浴びる生活に変えてください。できるだけ一年を通して日光浴を短時間繰り返すのが大切です。昔から夏に日を浴びると冬に風邪ひかない、と言います。夏に作られたビタミンDは体内に貯蓄され冬の期間に働いてくれるからです。しかしながら北国にお住いの方は簡単ではないかもしれません。

すでに精神的な不調、神経症、慢性痛などを抱えている人にとっては日光浴だけで健康が戻ってくるかは問題です。一概には言えませんが簡単ではありません。まず日光浴不足がすべての原因ではないと思いますので、それだけですべてが解決すると思わない方がいいでしょう。ですが、日光浴はした方がいいです。底上げが期待できます。これだけで治る人がいる可能性もあります。

夏は暑すぎてすぐに肌が悲鳴をあげてしまいます。日焼けした肌は光をブロックするため、ビタミンDの合成が効率よく行うことができません。黒く日焼けした肌はビタミンDの合成をブロックします。つまり1~2度、海やプールに行って黒く焼いたとしても日光浴は十分とは言えないのです。冬は寒いですし、光が弱かったり、肌を出せるところが限られたりして、これも効率がよくありません。

そのため夏は早朝の朝日がよいとされています。朝日を浴びることで脳内神経、自律神経が自然に整います。夏の紫外線は朝が理想的なため、毎日30分くらい肌を露出して外に出ていると肌がダメージを受けずに光を少しずつ吸収してくれるのです。お腹や背中、太ももなどに光を浴びるといいと思います。

また冬であれば露天風呂が効果的です。冬の晴れの日は理想的な紫外線が降り注いでいて、長時間の日光浴が可能です。しかしながらベランダや公園では寒くてできません。露天風呂なら寒くなればサウナや湯船に浸かり、また日光浴を繰り替えせます。これが実は最高なのです。

しかしながら私の住む東京ならこれができますが、北にお住いの方、病気療養中の方にしましては、したいけどできないというのが実情であろうと思います。

そこで光線療法をぜひ知っていただきたいのです。

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