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2024/6/16

病気克服のために ⑧自己中心になっていないか

うつ病、自律神経失調症、神経症、過敏症などの病気になる方にはある共通した傾向があります。

自分の病気を気にし過ぎる、心配し過ぎる、自分のことで頭がいっぱいになっているということです。

病気になったから心配が離れなくなってしまった、以前の私はこうでなかったと思われるかもしれません。

一般論として書きますが、神経症やうつ病になる方の特徴として病気が発症する以前から自分のことを考え過ぎていたのではないかと思います。自己中心的な考えがあったり、利己的なところがあったり、人の目を気にし過ぎていたり、クヨクヨすることが多かったり、このような傾向があったのではないでしょうか?

すべての神経症、うつ病のかたが当てはまるわけではありません。過酷な労働やストレス、寝不足、無理な環境を耐えなくてならなかったなど、病気になっておかしくない状況を強いられていた方もいると思います。

しかし多くの方に知ってもらいたいから書きますが、これらの病気は「ぜいたく病」でもあるのです。

このように書くと反論もあるかと思いますが、治るから書くのです。治るきっかけとして重大なことだと確信しているから書いています。

自分の病気のことばかり考えている神経症、うつ病に陥っている方の特効薬が自分のことを心配しない、自分から思いを離すということなのです。これによって心は必ず楽になります。

以前から自己中なところがあったと振り返るところがあるのなら、そこから治っていきます。気づくことで本来の自分に戻れるからです。自己中な人でも神経症、うつ病とは無縁の方がいます。そういう方は元々神経が図太く細かいことに気づかず、ある面うらやましいところもあるのですがトラブルが絶えません。家族とも離れがちになり、ある時大きな病気になる傾向があると私は思います。大病をしてとてもうろたえるのが特徴かと思います。

神経が繊細で本来優しい性質なのに自己中な行動をとってしまう、自分のことを気にし過ぎてしまう、心配性な方、過去をくよくよし過ぎてしまう、先のことを考え過ぎてしまう、このような方が神経症やうつ病になりやすいのではないかと私は思います。

自己中な性質が少ない人はこのような病気にはならないのです。すぐ忘れる、けろっとしている、自分のことをどう思われようが気にしない、このような方はうつ病とは無縁です。

ただし、ここに書く内容はあくまでも私個人の感想に過ぎません。参考になると思われた方のみお読みください。

このように書くと現在お病気の方は心外に思われるかもしれません。しかし自分の病気のことばかり考えている、悪くなると思い込んでしまう、どうしてこんなことになってしまったのかと分析ばかりしている、自分をいつも責めているなど、これらも自己中、利己的な考えと繋がっています。

当院には自律神経を崩して原因不明な慢性痛、不安症、過敏症、うつ病などの方が多くいらっしゃいます。そして多くの方にどうしても自己中な面がみられるのです。

予約のドタキャン、変更などもそうですが、普通に時間を守らない、人に迷惑をかけていることに気づかない、このような傾向は感じてしまいます。そして面と向かってそのようなことを指摘することは難しいので言えませんが、そのような行動の半面、自分に対するいらだち、死にたいと思う気持ち、病気に対する恐怖心をぬぐえないという部分が小さくなっていかないのです。説明をしても聞いてくれないというところがあり、なかなか同じところから抜け出せないでいることが多くなってしまいます。

本当に病気が深刻になり、どこに行っても治らないということが身に染みて、当院に来られた方はこれまでの習慣がそぎ落とされ、素直さが戻っています。そういう方はいかに自分が自分のことを考え過ぎていたかを知り、心の向きが変わり積極的な心に変わるのです。そして驚くほど早く回復していきます。

心のベクトルの向きを正反対に変えるのです。矢印が自分に向いていたのを外に向けてみる。習慣ですからすぐにはできませんが毎日心がけていれば必ず変わるのです。

まずやっていただきたいのは「価値判断」しないことです。

自分に対しても人に対しても、出来事に対しても「価値判断」をやめてみる。

いい悪い、ふさわしい、ふさわしくない、このような判断をやめて「ありのまま」をただ受け入れる練習をします。そこから生まれる「気づき」に意識を向けます。

例えば自分の体調に対してあれやこれやと考え、いろんなことを判断していることをやめてみるのです。ただ何も判断せず受け入れてみます。すると普段忘れていた落ち着きが生まれてきます。少しだけ混乱から抜け出られる実感を得られるのではないでしょうか。その落ち着き、わずかな安らぎの中から希望が見えてきて、不安は消えていきのです。なにもせずとも不安は消えていきます。

すると体の不快な症状、例えば痛みや神経の過敏などが小さくなっているのに気づくことができるでしょう。

さらに「気づき」は今、何をすればよいのかも教えてくれます。混乱の最中にいるとよくない選択をしてしまうことがあります。家族に八つ当たりしてしまったり、嫌なことを言ってしまったり、余計なことをしてしまったり、その都度自己嫌悪になりさらに自分を苦しめていたのではありませんか?

家族や人のために何かできることを探してやってみる、自分がやっていて楽しいと思うことを無心でやってみる、例え体がきつくて何もできないと思っていたとしても、できることを探して少しでも行動に移してみる、このようなことを続けているうちに病気のことを心配する気持ちが弱まり、それによって体に血や気が周り出すのです。

私はうつ病やパニック障害、慢性痛、過敏症が同時に起きてしまいとてもつらい状態でしたが、何かをしていた方が気がまぎれる、何もしていないとマイナスのことばかり考えてしまうと気づき、そうじをしたり、洗濯をしたり、できることをしだしました。そうしているうちに体は動くようになっていきました。

そして自分が元々自己中、利己的なところがあったと認め、人のことをできる限り見れるように変えていきました。例えば家族のためにできることを探してやったり、病院に行った時は自分のことだけにならないように人に道を譲ったり、エレベーターを待ってあげたり、わずかでも笑顔を心がけたり、些細なことから心がけました。

それまでの私はこんなに体も心もきついのに他人のことなど気にしていられるかと思っていました。人のことを理解することもしようとせず、自分に何をしてくれるのかとそればかりになっていました。

何がきっかけだったかはっきりは覚えていませんが、やはり誰かに指摘されたのだと思います。自分のことばかり思っているから病気になったのだし、治らないんだと。私の病気は本当に深刻でたくさんの人に心配と迷惑をかけてしまいました。優しく接してくれる方にも素直な態度ではなかったため、いろんなご指摘を受け、何人かの方に自己中を指摘されたのだと思います。

私に救いがあったとすれば、根は素直だったということです。本当に治りたい一心だった私は、自己中、利己的な自分というものが病気と共に強くなっているということを認め、先に書いたような行動を少しずつ増やしていったのです。病気のことはできるだけ考えずに、痛くても気にせず、パニック障害の発作はとにかく苦しいのですが、発作などどうでもいい、いつでも来いと開き治って怖がらなくなると発作は来なくなるという体験をしたのです。

人の迷惑になるような身勝手な行動などはしていないかもしれません。しかし自分のことを気にし過ぎるというのも実は利己的な考えです。病気になる前も少なからず自分のことを考えすぎて、人の目を気にし過ぎていたり、自分は世間一般的にどうなのかとか、自分の人生は平均よりはいいのだろうかなど、気にしなくてもいいことが頭を占めていたかもしれません。

うつ病は自分のことを考えずに人の幸せのことをより多く考え、できる小さなことを行動に移していると自然に治ります。人があなたの施しによって喜び、何かほっとしたり、世の中はいいこともあるんだなと感じてくれることが自分にとっても癒しになっていることに気づくと思います。

治れ、治れ、誰か治してほしい、私のために何かしてくれ、ギブミーだけでは健康は戻ってきません。

完璧主義、他人をコントロールしたい、自分の思うように進まないとイライラする、人の失敗に寛容になれない、だんだん自分をごまかすことが増えてきている、都合の悪いことから目を背ける、人のことを理解しようとしていない、このようなことが以前よりあるのなら、やがてメンタルは疲弊してしまうかもしれません。気づくことで悪い流れを変え、本当の自分に戻れるかもしれません。そのためには自分を見失わない静けさを取り戻すことです。

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