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2024/1/29

眠れない方のために

当院は自律神経の不調専門の整体鍼灸院で、不眠症、うつ症状、不安神経症、慢性痛、パニック症、胃腸の慢性炎症などの方にいらしていただいています。

メンタルの不調と言いましても健康全体に関係があります。病院検査でははっきりしない原因不明の体調不良を改善するために血流の改善、体液の流れの改善、筋肉の緊張の改善、内臓の緊張の改善などを自然療法で促し、ホルモン分泌の異常の改善、脳神経の不調の改善などを目指し、自律神経を健康な状態に促していきます。

不眠症も当院の自然療法で改善する可能性があります。過去のご来院されたクライアントの95%以上の方が明らかな改善を感じておられます。当院では整体、鍼灸、光線療法などをバランスよく行い、緊張が取れない脳や神経、内臓、筋肉に深いリラックスを感じていただく施術を心がけています。ぜひ一度お試しください。

今回は眠れないで困っている方に向けてアドバイス差し上げたいと思います。

まず、なぜ眠れないかと申しますと自律神経が緊張、興奮している状態がうっすらと続いてしまっていることが原因であると思います。なぜそのような状態が続いてしまうかというと脳のある部分が反応を続けているからだと思われます。

脳の中で危険を察知して神経系にアラートを鳴らす偏桃体という部分があります。例えば道で凶暴な動物に遭遇したとします。脳は記憶を呼び起こして偏桃体を鳴らし、「戦うか、逃げるか」という指令を出します。生命存続のための防衛反応です。この時自律神経の交感神経が急激に刺激され、緊張や興奮が高ぶります。交感神経が高ぶらなければうまく逃げることも、戦うために緊張状態になることができないからです。

野生動物ですと凶暴な天敵と遭遇すると逃げます。逃げ切れたあと、実にうまくスイッチが切り替わります。一時間前に生命の危機に陥ったにも関わらず、すっかりそのことを忘れて眠ったり食べたり、普通の生活に戻ることができるのですが、人間はそうはいきません。

人間の脳は忘れるということが難しいようです。

生命の危機を感じるほどの天敵に遭遇することは滅多にありませんが、社会や学校でいつものんびりしているわけではありません。プレッシャーのかかる仕事があったり、嫌な態度の人に会ったり、嫌なことを言われたり、理不尽なことに遭遇する度に脳と自律神経は反応を起こします。軽い緊張や興奮、防御反応を繰り返しているうちに脳は誤作動を起こしだします。偏桃体が常にアラートを出し続ける状態が起きるのです。

自宅に帰って仕事や人間関係から解放され、もうなにもかも切り替えて忘れてしまいたいのに脳は緊張状態を解除できない、「逃げるか、戦うか」というモードがやんわりと続いてしまっていることに自分では気づけないまま、寝る前も寝ているときも「戦闘モード」が続いてしまっているのです。

偏桃体の記述については参考としてお考え下さい。私は専門家ではありませんので偏桃体の話を聞いて、それまで自分の直感として抱いていた脳の誤作動が偏桃体と関係しているのかなと思った次第です。脳の誤作動が起こっていることは間違いないことだと思います。

つまり自律神経の異常は自律神経だけのことではなく、脳の誤作動が関係していて、その原因は「逃げるか、戦うか」というストレスとの遭遇の繰り返しから起きるのです。ストレスについての説明はもちろんこれだけでは不十分であるし、ストレスがすべて悪であるという考えも違います。しかし今回は要点を絞って書いていきたいと思います。

人間の脳は小さなストレス(危機)をありのままに評価せずに過大評価してしまうようになってしまいます。例えば小さな地震があっても脳は過大評価に転換し、危機を予想して自律神経を異常に刺激してしまうのです。実際に起きていないことさえも脳内で作り上げ、怒りや不安、恐怖を脳が現実にあったことのように反応してしまうなども日常茶飯事でやってしまいます。

上司にまた何か言われる、誰かが自分のことを悪く言っている、友達に嫌われていないか、失敗しないか、などと妄想が強くなり脳は休まることを見失ってしまうのです。余計なことを考え過ぎて心配がいつも心を支配してしまうようになってはいないでしょうか?

ではどうしたらよいか、まずは脳のリセットを行います。私が今回書いた内容も知ることで脳は混乱から抜け出す準備が整います。まず理解するところから癒しは始まります。

自宅で寝ようとしている時、「逃げるか、戦うか」という戦闘モードは今、必要ありません。今も続いていると脳が感じているのは誤作動に過ぎません。今は戦う必要も逃げる必要もない、平穏な場所で寛いでいていいのです。でも脳と自律神経は今も緊張を解除しません。

「今は、安全な状態だ、戦わなくても逃げなくても大丈夫、心から寛ごう」

このように脳に語りかけてください。

脳に語り掛ける、初めて聞いた言葉かもしれません。脳は自分の一部なのに話しかけるなんて意味があるのだろうか。でも意味があるんです。脳に気づかせるのです。「今は安全だと」。

なぜ「危険」「戦闘」「防衛」「対応」などのモードが続いてしまっているのか、それは今まで過去からの切り替えがうまくできていなかったことが原因です。ずっと過去のことにとらわれ、これから先の未来のことを心配していると自律神経はおかしくなってしまうのです。大事なのは「今」です。

例えばお風呂に浸かっているとき、今日あったこと、明日のことなど考える必要はないのです。何も考えない時間、自分の成果、自分の成功、自分の評価などから解放された時間があなたを癒すのです。

お風呂に入っているとき、「今は安全、大丈夫」「戦う必要はない」と脳に語り掛けると効果があります。脳はやがて「そうか今は安全なんだ」と緊張、戦闘モードを手放すのです。脳とはそういうものです。

すぐにできなくても何度も試みてください。公園に散歩に行った時、夜寝る前の時間などにもしてみてください。脳は自分の意識で変えられます。自分の意識とは別で脳は誤作動、暴走をしてしまいます。

それを解除して安らぎを与えられるのは自分の意識です。

周りの評価などいつでも変わるような天気みたいなものです。手のひら返しは当たり前、そんなものに右往左往する必要はないのです。自分は自分です。誰に何を言われようと自分だけは見失ってはだめです。自分を作らず、ごまかさず、ありのままの自分でいてください。誰にもわかってもらえないと感じることもあるかもしれません。しかし本当はそんなことはありません。

生きているうちに本当の自分を見失ってしまうことがあります。本当の自分でないものを捨てていくと本当の自分に戻れるのだと思います。すると誰かに認められたい、愛されたい、成功者と思われたいなどの自分を苦しめる欲が小さくなり楽に生きられるようになります。私はそうして病気が治りました。

不眠症も体験しました。薬が無ければ一睡もできないのではないかという非常事態も体験しました。その時は薬の力を借りましたが、薬に頼らずに眠れる自分に戻ることができました。私の体験がどなたかの参考になるなら幸いです。

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