BLOG

2019/5/9

自律神経を整える方法

自律神経の崩れが様々な体調不良につながり、健康を維持するための秩序が保てなくなることから深刻な病気に発展してしまう可能性について書いてきてますが、自律神経を整えるために本当に必要なことを改めて書いていきたいと思います。

 

自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらがシーソーのようにバランスを取り合い、どちらかが優位の時は一方が引っ込むことで健康に必要な秩序を体に保ちます。

 

よく緊張状態が続く、興奮状態が続く、脳が休まらず眠れないのは交感神経が活発になり過ぎているからだと言われます。

 

交感神経優位の状態からバランスを取るためには副交感神経を活性化させる必要があるので、リラックスするためにお風呂に入ったり、趣味に没頭したり、テレビを眺めていたり、音楽を聴いたり、アロマやマッサージなどで緊張からリラックスへ切り替えようとする方が多いと思います。

 

それでもなかなか事態は好転しないことが多いのではないでしょうか。

 

自律神経が崩れている場合でも、すべての方が同じ状態ではありません。単純に交感神経が優位に働いている人であれば、仕事や人間関係から離れ、気分転換や気持ちのいいと感じることをしていれば自然に整ってくると思われます。

 

しかし自律神経そのものの値が低下している人もいます。つまり交感神経が優位である人でも副交感神経、交感神経それぞれの値が低く低下した状態の中で交感神経が優位になっているという状態です。

 

同じように副交感神経が優位になっている人もいますが、自律神経の値そのものが低下しているということは共通しています。

 

簡単に言うと、自律神経のパワーが低下している状態で、どんなにバランスを整えようとしても不安定な状態は続いてしまうということです。

 

自律神経のパワーそのものを引き上げなければ、不安定な状態は改善されることはありません。

 

自律神経の値そのものが低下している人の特徴としては、とにかく過敏であると言えます。人の会話が気になりやすい、少しの音でも過敏に不快に感じる、気温やにおいなど自分を囲む環境に過敏で影響を受けやすいなど、環境の変化に対応する力が欠如した状態になります。

 

その上でイライラが強かったり、話が止まらなくなったりする人は交感神経が優位なのかもしれませんし、ぐったりして、何もする気になれない人は副交感神経が優位なのかもしれません。また、一日の中でも状態が変わり、一概に交感神経優位や副交感神経優位と言えないと思われる人もいると思います。

 

このような状態の時、間違った対応をしてしまうと事態は悪化してしまうことがあります。

 

多くの方が本能的に無理をしてしまうことがあります。体の異変を感じながらも、気持ちの問題だと決めつけ、無理をすることで自律神経の値はますます低下してしまいます。すると過敏になり過ぎた体はやがて秩序を失い、体調不良が現れてしまいます。またうつ病になってしまうこともあります。

 

私は自律神経を鍛え、値を高めるということは気を高めることと同じだと説明してきました。

 

気というのは昔からよく使われてきた言葉ですが、気持ちという意味ではありません。気は自律神経と大きな関係があります。どちらも自然との関係によって影響を受けるもので、意識的に高めることもできるのです。

 

自律神経の値そのものを高めるためにはまず、交感神経を鍛えていく必要があります。交感神経が鍛えられると副交感神経は自然に高められます。副交感神経ばかり意識していても自律神経の値は高まりません。

 

交感神経を鍛えるというのは冷水をかぶったり、肌を寒風にさらすというようなことではありません。交感神経によい刺激を与えていくということです。

 

自律神経が不調になってしまったのは、過度な偏った刺激を体に与えすぎていた可能性があります。例えばパソコンやスマホを長時間見続けて、視神経から偏った刺激が続いていた人や、人間関係の緊張状態が続いていた人、テレビを長時間見続け、目、耳が過度な刺激に疲労している人などもいます。

 

交感神経を鍛える簡単な方法があります。私がお勧めするのは絵画を観たりクラシック音楽を聴く、自然の美しさに触れる、景色を眺める、香りを楽しむなどです。

 

ただ漠然と体験するだけではいけません。意識的に体験していただきたいのです。絵画をお勧めする理由は名画と言われるものには、その瞬間がすべて描かれています。観る人をその瞬間に引き入れ、まるで時が止まったかのような深い静寂に包まれます。

 

クラシック音楽を聴く時はその瞬間に意識をすべて向けて全身で聴いてください。音楽を聴くという行為そのものだけを体験します。

 

景色を眺める時も、できるだけ他のことを考えずに、雲になりきる、山になりきるような気持ちで、自然との一体感を感じるようにしてください。

 

これらの体験における共通点は感動です。感動こそが交感神経を高め、自律神経そのものを整えるものです。

 

感動することはたくさんあります。読書が落ち着くと感じる人もいるかと思いますし、とにかく本物に触れることです。

 

この時、今ここに意識が向けられます。自律神経を整えるために努力は必要ありません。ただ、今ここにしばらく心身を没頭させていればよいのです。すると必ずそこには安らぎが感じられると思います。その中で寛いでいれば、呼吸は自然におだやかに深くなってくるのです。

 

そうしているうちに気は高まってきます。携帯電話の充電をしているのと同じで気もバッテリーのようなものです。毎日充電しなければ機能不全陥ってしまうのです。

 

私はヨガを行いますがヨガマットの上で意識を研ぎ澄ませます。意識が分散して過去のことを考えたり、先のことを考えてしまうようなことはありません。意識が今ここにしっかりあると、ヨガでどのようなポーズをするかは大きな問題ではありません。エネルギーが満ちてきて、体の緊張や疲労は自然に無くなっていきます。

 

交感神経を鍛えるというのはその他にもいろいろあります。散歩をしながら歩くことだけを思い、体を感じながら、その時の景色や自然を感じながら歩くのもとてもよいと思います。

 

できるだけ自分の思考から離れることです。感覚に意識を向けて、情報をできるだけ遮断することです。考えすぎていたことに気づく必要があります。そして自分ですべてをコントロールしようとせず、自然の流れに任せてみる、結果にこだわりすぎない、求めすぎない、このようなことも大事だと思います。

 

このようなことをヒントに少しでも気が高まってくることを感じられたらもう大丈夫です。本来、自然に治るものだからです。病院に行って治してもらわないといけない、という常識に惑わされず、混乱した脳を切り替えることがまずは大切です。

 

 

 

 

 

«ストレスからの解放
細菌感染の検査(膀胱炎)»
一覧へ戻る