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2025/9/25

自律神経失調症を整える運動

自律神経失調症とは病気ということではなく、自律神経の崩れがある程度進行してしまい、様々な不定愁訴が現れている状態だとします。軽度から重度まで段階があり、個人差もあると思います。

食生活の乱れなどもあると胃腸の調子がいつも悪く、何か病気になったように感じますが検査をしても原因はみつからない、このようなケースで自律神経失調症と言われたり、慢性痛が続いていたり、会社や学校に行こうとすると身体の不調が現れる、このうなケースもあるかと思います。

私は自律神経失調症には運動がとても有効であると思っています。

身体を動かすことで心の憂鬱が消えていくということが起きます。これはホルモンの分泌なども関係しているのですが、つらいから何も動かない、何もする気がしないという身体からのメッセージをそのまま受けているとなかなか事態が変わらないかもしれません。

体を動かしているうちに体が動くようになり、心も軽くなる、楽になるということは実際にあって、その体験を繰り返しているうちに自律神経は安定してきます。自律神経が不安定で脆弱になっていると感じませんか?本来は少々の外的な変化やストレスに耐えられて、すぐに元の状態に戻る力があったのです。

小さなことが長年に渡って自律神経を弱らせて来た人もいれば、何か大きなショックがあって、そこからバランスを崩してしまった方など、いろんな方がいると思いますが、毎日の努力の積み重ねはうそをつきません。必ず健康は取り戻せます。

当院では様々な体調不良の方に向けてトレーニングの方法をアドバイス差し上げていますが、共通してお伝えしたいのは、気持ちのいい運動をするということ、筋肉を少し鍛える意識を持つこと、特に下半身を弱らせないこと、がんばらないこと、一日にわずかな時間でいいから継続することに意識を置くこと、ストレッチは無理にやらないこと、でも背中は丸くなっていないかなど姿勢をよくして、気持ちよく体を伸ばしたり、横に側屈したり、回旋したり、前屈、後屈をしたりすることはお勧めです。また呼吸を深く、長く、静かに行いながら気持ちよく動く体操を習い、徐々に増やしていくこと、できれば一日一回は外に出て深呼吸して自分の吐く息で古い気を排出して新しい生命の気を吸いながら摂りこむようにしてみてください。

呼吸が浅いと自律神経は安定しませんし整えていくためには呼吸法が最も大切です。まずは吐くこと。

吐ききるためには呼吸筋というものを使わなくてはなりません。すぐにはできないかもしれませんが、毎日積み重ねていればたくさん吐けるようになります。10秒くらいかけてお腹から吐ききります。でも力は抜きます。

お腹が引っ込むように吐いて、そのあとは自然に任せます。たくさん吐ければたくさん吸えます。

全身で気持ちよく吸って、そしてまた吐く。徐々に楽な呼吸に切り替えて静かに呼吸して自然の中にいる自分が呼吸をすることで全体と一つになることを意識しながら、言い換えれば呼吸をしているのが自分ではなく、自然の力でしていると感じること、自分は力を抜いて静止することだと気づいていく。

寝ながらの呼吸法、座って呼吸法、立って呼吸法、体操をしながら呼吸法、歩きながら呼吸法など、いろんなやり方をした方が効果が高いです。

公園まで歩いて行って呼吸法をする、自然の光や植物の匂い、土の匂いなどを感じながら、あせらずに、どれだけ時間がかかっても自分しか自分を治すことはできないと思ってやり続けてください。

呼吸をするときに腕を上げて広げて、肋骨を解放して、首の力、背中の力を抜いて、など

やりながら気づいていきます。

そうしているうちに呼吸の大切さ、どんな治療よりも体が求めていたと分かる時がきます。

呼吸法で元気になる、疲れがとれるなどはすぐには実感できません。水滴を1つづつ落としていくと水たまりになるように毎日続けているとわずか5分、深い呼吸をするだけでエネルギーが入ってくる感覚がわかるようになります。ぜひやってみてください。

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