光線療法というのは100年以上前にデンマークの医師によって開発されノーベル医学賞を受賞したこともある効果の認められた医療機器です。
これまで光線療法は改良がなされ、より人体によい影響が出るように進化してきましたが、まだまだ一般的な知名度は低いのが現状でしょう。
お医者さんであっても光線療法について理解されている方は非常に少ないのが現状です。と言うのも太陽光自体が健康に不可欠な栄養素であるという認識を持たれている医師がとても少ないのです。
紫外線は悪であってできるだけ避けるべき、と指導される医師が少なくありません。しかし日本以外の医療先進国では紫外線を拒絶する考え方をすでに見直し、適度な紫外線、赤外線、可視光線が健康を維持する上で重要であると認識が広まっています。
なぜ見直されたかと言うと現代病である「うつ病」「がん」「成人病」「慢性痛」などが太陽光をあまりにも避けた習慣と関連があるという研究が進んでいるからです。
人間の体は健康であれば繊細な秩序が保たれています。しかし必要な栄養素が慢性的に枯渇してくると秩序を保てなくなります。それがまず精神的な不調として現れます。「うつ病」があまりにも増えてきているのは人間が自然との関わりを減らし、機械に囲まれた生活、自然のリズムとかけ離れた生活を繰り返すことと関連があります。
食生活の乱れもその一つですが、見落としていたのが太陽光をあまりにも拒絶していた生活習慣です。
具体的にはビタミンDという紫外線を肌に浴びることで得られる栄養素(ホルモン)があります。ビタミンDの研究はまだ始まったばかりで「うつ病」「がん」「生活習慣病」などとの関連性が少しずつ明らかになってきているのです。
ビタミンD以外にも太陽の光が健康に不可欠な理由はあると思います。しかし研究が追い付いていないのです。なぜ太陽の光を避け過ぎると病気になるのか、それを本当に理解するには自分の体験を通して理解するしかないのです。
太陽の光はよく浴びてるから自分とは関係ないと思われる方もいると思います。しかし実はそうとは限らないのです。普段外によく出ている方でも必要な太陽光の恩恵を受けていない可能性もあります。それは紫外線に原因があります。
紫外線はやはり浴びすぎると害が出るのだと思われています。特に手や顔など同じところをたくさん紫外線を浴びていると肌は自然に紫外線をブロックし、ビタミンDの合成も期待できなくなることがわかっています。
つまり適度な紫外線、赤外線、可視光線をできるだけ全身に浴びることで理想的な栄養の吸収ができると考えられています。
現代の生活では裸になって外で光を浴びることができるところは限られています。海やプールや露天風呂などでしょうか?ベランダやお庭で裸になることが難しいのが現状ではないでしょうか。
自然の日光浴を積極的に行うことは絶対に必要です。冬であれば天気の良い時にできるだけ肌を露出し1時間程度外に出る必要があります。夏は紫外線が強すぎるため日中より朝日を浴びるのが理想的です。雨の日もありますので天気が良い日を見逃さずに行うことが大切です。
しかし自然の日光浴で既に病気が現れている体を変えていくことは現実的に難しいのです。ある程度健康であれば不可能では決してありません。しかし気力、体力が失われている体では根気よく続けることは難しいと言わざるを得ません。
そのため光線療法が発明され民間療法として続いてきたのです。光線療法は日光浴の代用だけではありません。そこに人間の知恵が生かされ、優れた効果を発揮する工夫が施されているのです。
害のある紫外線は抑えられ、健康に必要な紫外線を照射することが可能になり長時間光を浴びても害が出ないように改良されてきました。また赤外線だけでなく自然の太陽光と同じ波長を含む光線を発生させることで痛みの緩和や消炎作用、傷の修復などに確かな効果を認めることができます。
また可視光線を強くした光を頭部などに照射することで自律神経やホルモン分泌への良い影響が期待できます。私はこの療法によって「うつ病」や慢性痛に優れた回復効果があると思っています。実際に当院では健康法としてご提供していますが、確かな改善を体験されている方が少なくありません。特に原因不明の慢性痛は生活の質を著しく低下させてしまいます。常に痛みに襲われるというのは実に深刻な問題です。
病院治療では痛みどめの薬を飲むしか無かったのが光線療法に賭けて改善した、完治したという方が少なくありません。腰痛、首痛、膝痛、頭痛、膀胱痛、尿道痛など痛みの出る箇所に関係なく、改善する可能性があります。なぜなら痛みを発生させるメカニズムは複雑であり、患部だけを見ても解決しないことがあるからです。
もちろん太陽の光から得られる栄養素だけで治るとは限りません。しかし新しい光線療法を追求することで、さらなる効果が期待できるようになってきたのです。それは全身照射による保温療法との融合です。