自律神経の崩れ、うつ病、不安神経症、胃腸、膀胱の過敏症、パニック障害などを患っておられる方へどのような施術が有効か、私の考えを書いてみたいと思います。これは自律神経の不調を専門にして約20年整体、鍼灸をご提供してきた経験から書いていますが、あくまでも個人の感想になりますので参考になると思った方だけお読みください。
まず何よりも優しく繊細な施術をするべきだと思います。強い刺激は神経が過敏になっている場合、苦痛であり必要以上に防御反応がでてしまう場合があります。強い指圧やもみほぐし、筋肉への刺激、関節を大きく動かす施術、多量の鍼刺激、強い電気刺激などは逆効果の場合があると思います。
施術する側がやり過ぎてしまうと緊張がかえって高まり自律神経は安らぐ方向へ行きません。自分の技術、理論を優先することで患者さんの体をそれに従わせようとすることがよく起きてしまいます。また調整する箇所を多くすることで自然治癒力が働きにくくなることがあります。
私自身、重度の自律神経失調症、うつ病、パニック障害、不安神経症、胃腸の過敏症、慢性前立腺炎など同時に起きてしまったことがあります。振り返ると抗生剤の乱用による薬害の面が強かったと感じていますが、とにかく寝たきり状態になってしまったことがあります、この時に様々な治療をしてもらいましたが、とにかく刺激が強すぎるのはつらく感じました。首を強く矯正したり、指先や頭への鍼刺激、何度も体勢を入れ替えなくてはならない整体など、患者の側に立っていない治療にたくさん出会いました。そして治療師の理論通りになっていかないと匙を投げられる、病院に行った方がいいと何度も言われました。現在の私からするとその方の状態に合わせてできることを選択することが大切であり、特にお年寄りには負担のない刺激を選択することが大切だと思います。また体が冷えている方が多いのでベッドに寝ているだけで冷えが進行しないように体を温める工夫が大切かと思います。
施術の技術はそれぞれであってもゆっくり優しく施術することで緊張からリラックス方向へ向かうと思われます。どんなに優れた理論からできた技術であっても患者さんのリラックス、しかも深いリラックス状態を作ってあげることが優先だと私は思っています。それを優先することで技術を用いることができなくても、その時できることを選択してあげることが重要だと思っています。
またゆっくりとしたリズムはオキシトシンやセロトニンをいうホルモンの分泌につながり、不安や痛みを軽減する方向へ向かいます。施術者の体に力みがなくリラックスしていることも重要です。施術者が緊張していたり治してやろうと力むと患者さんは敏感になっていますのですぐに伝わります。
自然治癒力によって治るのを忘れてはいけません。施術者が治そうとすると大した変化は起きません。それよりも自然の力に任せるのが大切です。生命力にあふれた施術師が病気を過大評価することなく、患者さんの生命の力を信じて施術を行う、すると体はどんどんゆるんでいきます。施術師の健康状態は重要だと思います。特にイライラしていたり、落ち着かなったり、自信がないような状態で施術をしてしまうとよい結果は出ません。技術は二の次だと思います。自律神経は作為的に操作しようとしても癒されることはありません。それよりも自然治癒力を妨げる原因を解除することに注視すると自然にあるべき健康な状態に戻っていきます。例えば骨格がずれていたとしても、無理に矯正するのではなく、緊張している筋肉をゆるめていきます。また伸長して収縮しなくなっている筋肉を収縮させてあげると骨格は元の位置に戻っていきます。これも動かそうとせずに自然の力を尊重して余計なことをしないことが大切です。
内臓の緊張、例えば胃が硬くなっていたとします。それを柔らかくしようとすると患者さんは気持ち悪くなってしまうかもしれません。後でもっと胃が痛むかもしれません。施術者が自分で何とかしようとせずに、繊細な刺激を与えて待ってあげます。患者さんの呼吸を使って閉じていた門を解放してあげるのです。すると緊張がとれて動き出します。多くの場合、内臓は動きが悪くなっています。内臓どうしが癒着してきゅうくつになっていることが多く、その空間を解放してあげるように操作すると内臓の動きが楽になり血流が蘇るのです。あとは自然治癒力にお任せします。私がお腹に施術する場合、状態によって分けますが、胃腸の過敏症の場合、かなり優しいマッサージを行います。ほとんど動かない状態でただ手を当てています。時間にして5分くらい、腹膜がゆるみ中の内臓が動き出します。状態が深刻な方ほど強い刺激を嫌がり、ただ触っているような施術に効果を感じてくださいます。ただ横隔膜は少しだけ強く刺激することでリリースすることがあります。
多くの場合、脳脊髄液の流れが悪くなっているのが原因としてあります。脳脊髄液は脳内から頭蓋骨、脊髄から仙骨を循環していますが、流れが悪くなってしまいます。すると自律神経や血流、リンパの流れも連鎖して悪くなります。どれが先にというわけではなくどれも繋がっているのです。
頭蓋骨の動きが悪くなっていたり、首の骨と頭蓋骨のジョイント部分に滞りがあったり、背骨が歪んでいたり、仙骨がゆがんでいたり、硬くなっていることで循環が悪くなります。骨格だけの問題ではなく筋肉の疲労や緊張なども原因になります。この脊髄の流れをよくするために、頭蓋骨や仙骨に調整を行います。これも施術者がどうにかしようとするよりも自然の力にお任せできる状態まで持っていくのがポイントです。わずかな力で牽引したり、ゆらしたり、ただ手を乗せているだけで調整ができます。自然の力が発揮されるためには深いリラックス状態が必要であり、介在する施術者は静止しなくてはなりません。人為的な活動を静止して待つことで自然に治癒力が働いてくるのです。
これは患者さんの本来持っている治癒力が発揮できない状態を解放するということであり、患者さん自身の力であるのですが、施術者の生命力が呼び水になります。それが一体になり共鳴することで変化が生まれます。この時生まれる変化は時に驚くほどのものが起きることがあります。しかしそれは施術者の力ではなく自然の力であるということが大切なポイントなのです。施術者の力、技術で変化を起こそうとしても制限が生じます。
一方、自然の力を尊重した施術には制限がありません。そのためどれくらいの変化、よい結果が出るかは正直わかりません。すぐには出ないこともありますが、気づかないところでよい変化が生じていることもあります。多くの場合、患者さんの抵抗があると変化は制限されます。できるだけ無防備になって受けていただくことでよい結果が出やすいのですが、それはできる範囲で十分です。
この自然治癒の力は施術師の制限が解除されている度合いによって強まります。私なども10年前より自然の力に抵抗しなくなり、自分の成果に執着が取れてくるに連れて、よい結果がでるようになっています。
私は毎日最低でも1時間は瞑想をします。この時に自分という分離した意識を全体に近づけていきます。そうすることでエネルギーチャージも肉体、マインドの修正も起きてくれます。この瞑想状態が私の施術そのものと言えます。患者さんは共鳴することで分離から全体へ溶け込むようにゆるんでいきます。それが起きると全身の循環機能が蘇ります。そこから筋肉や関節、内臓への施術を行っていきます。
当院にいらした方は普段感じなかった深いリラックスを感じる方が多くいます。この時に必要な修正が起きてくれます。そのため私はヒーリングを習う生徒に瞑想を勧めます。あとは体操しながらの瞑想です。動きながら瞑想状態になることで普段から分離しなくなります。瞑想についてはまた別の記事で書きます。私は好きで何時間も行いますが、わずか5分でも効果があります。ブログを読んで興味のある方はぜひ「習いたい」と言ってきてください。恐らく治癒のプロセスをかなり早まると思いますし、人生から障害が消えていくのを感じると思います。
瞑想は少しブームになってしまい、軽い体験でいろいろ判断されてしまっています。本来はもっと本質的なものであり、スマートフォンが充電しないと使い物にならないのと同じように私たちも電池切れになってしまうので必要なものなのです。ただ時間が重要なのではありません。
なぜ病気になり、治らないのか、悪化していくのか、その答えは自分の中にあります。病気を選び、治らない選択をしていることに気づき、健康になることを選択する。単純ですがこれが答えです。しかしそれがなかなかできない、それはなぜかというと私たちの心は複雑にこんがらがっているのが実情なのです。
あらゆるものに抵抗して余計なことをしてしまう。例えば考え過ぎる、悪くなると思い込む、誰かのせいでこうなったといつまでも心に敵対心が離れない、わざわざ体が喜ばない食べ物を選んでしまったり、いつの間にか怒っている。身体を冷やすことをせっせとしていたり、神経を休めようとしない。
このようなことがいかに健康から遠ざかるということに気づいていないのです。治そう治そうとあせって病院を巡り検査を繰り返す、遠くまで病院に行っては疲れ切って帰ってくる。もちろん病院に行くことは必要かもしれません。しかしそれが行き過ぎていないか、まず自分で修正できること、努力できることを棚上げしていないか、このような視点も必要ではないかと思います。
当院で施術を受けていてもよくなっていかない人は傾向があります。ご自分の固定観念が強くあり、こうあるべきだということが強い人です。そのため私の繊細で根本的な施術に対してもご自分なりに判断してしまいます。よくなっていく過程というのは平たんではありません。エスカレーターに乗っているようにはいきません。一旦、悪いものが出されることもあります。そしてよくなったり、また後戻りしたように感じるような時期もあります。それをくり返しながら根本からよくなっていくのです。
本当に順調に改善を感じていた時に、奈落の底に落とされるようになることもあります。しかし心の中ではこれもプロセスであり、よくなっているからこうなったんだと分かる人にはわかります。
私も本当に治るために10年かかりました。その過程では何度もつらい状態を繰り返しました。しかしそれを乗り越えた後、心の奥にあった苦しい気持ち、恐怖心などが消えていき、自分には必要なプロセスだったとわかりました。一度ですべてよくなるほど軽い状態ではなかったのです。
私の場合、誰にもわかってもらえず、自分自身を励まし、必ずよくなっていると信じ続けました。明けない夜はないと信じて何もできない日々をただ耐えたこともあったのです。現在、とても重い体調不良を抱えている方はとてもおつらいとは思いますが、失望しないことです。必ず心も体も健康に戻ります。自然の力で治っていくのです。静養するときは静養してください。脳を休めるのです。そして足りない栄養を摂り、やめた方がいい習慣に気づく。身体を温め、気持ちを楽にして回復を待ってください。もし可能であれば優しい治療を受けてみてください。うちしかできないとは決して言いません。優れた治療院はたくさんあります。ご自宅で静養するだけでよくなる方もいますが、いろんな助けを受けることで這い上がれる方もいると思います。ただし自律神経の不調についてしっかりとした理解を持っているところを選んでください。骨格矯正しか興味がないようなところではなく、癒しとは何か、自然の力とは何か、そのような視点を持ち、できれば難病を体験している、もしくは改善した例を持ち自信を持ってあなたを迎えてくれる治療院を探してみてください。
ちなみに私はどこに行ってもどうにもならなかった、遠いけど行けばどうにかなるのか、つらいけど行く意味はあるのか?と問い合わせをいただいても自信が揺らぐことはありません。これまでもたくさんの難病の方が日本全国からいらっしゃいました。それを受けられるほどの体験を積んできた自信があるからです。
もし頼れる治療院が見つからなければ「光線療法」を試してみてください。光線療法が受けられる治療院などを探してみてください。これは人の手による治療ではありませんが、実はかなりの確率で改善が期待できます。これは私の体験上、私自身も救ってくれましたし、この10年間で多くの方が光線の力に驚きながら復活をされていきました。あまり知られていませんがご自宅でも導入できるので出歩けない方やうつ病で人に会えない人などにも救いになります。地方におられる方でご自宅で光線療法をされることをお勧めしてきましたが、徹底してやった方はみなさんご満足しています。すぐにやめてしまう人もたくさん見てきましたが。。
その他にもはり灸はとても有効です。東洋医学の考え方は西洋医学でお手上げのところに視点を持っており、即効性は期待できなくても必ず助けになると思います。
その他、水素吸入もとても可能性があります。当院では一年半前から導入していますが、多くの方がご満足しています。水素の研究はまだ始まったばかりですが自律神経の不調やうつ病、認知症などに大いに可能性がありますのでぜひ取り入れてみてください。水素もご自宅に導入できます。
ここに書いている情報はあくまでも私個人の感想であり、ひとつの参考とお考え下さい。
どなたかのお力になれば幸いです。