前回のブログで当院のメソッドについての概要を書かせていただきました。
少し補足しますと運動というのは健康において、とても重要な要素だと思います。
もちろん生活習慣や食事は大切です。どちらかというとそちらの方が重要だと思います。
生活習慣が不健康で食事も偏っていると健康は確実に失われます。あまりにも運動をしていない人はなかなか健康を維持できませんが、少しでも歩いていたり家事をしていたり、お仕事である程度体を動かしている人なら食事や生活習慣の改善が優先されるべきだと思います。
それでも有酸素運動はできるだけした方がいいと思います。別の記事で詳しくは書く予定ですが人間の体には酸素が不可欠です。酸素によってミトコンドリアがエネルギーを生産します。しかし多くの方が酸欠状態になっているのです。これは主に自律神経と血管の問題が大きいと思いますが、有酸素運動は酸欠状態を改善するのにとても有効です。私たちは本来、もっと運動をしてきた歴史があるようです。原始的な生活をしていた時、毎日数キロを歩き、走り、運びました。しかも平坦なアスファルトの上ではなく、山道のようなところを歩いていたと思います。現代人は移動が便利になり圧倒的に歩かなくなりました。さらに平坦なコンクリートの上や家のフローリングの上ばかりですから足の筋肉が同じようにしか使われなくなり、退化しているのです。でこぼこの道や坂道、ぬかるみなどを歩くときに足底筋やふくらはぎの筋肉は脳と瞬時にやり取りをしてどのようにバランスをとるか神経を働かせるのです。その能力が落ちてしまっている現代人はほんの少しの段差でつまずき、転んでしまいます。これは筋肉の劣化だけではなく脳との神経伝達ネットワークが働いていないから起きるのです。
そのため有酸素運動もランニングマシーンや自転車マシーンもメリットがありますが、できるだけ山道や河原など、自然の道を歩くのをお勧めします。もしそれが難しければバランスディスクという健康器具があるのですが、その上に乗ってバランスをとる練習、片足で立つなどの運動も加えるといいかと思います。
またただ歩くだけでなく、少し早歩き、少し走る、横歩き、後ろ歩きなど様々なジョギングを行うのがとても有効です。このやり方をすると長くランニングをしなくても骨格筋が安定、コアな筋肉も強くなっていきます。膝が痛い、腰痛がある、股関節が痛いなどもまずは運動不足が考えられますので怖がらずに鍛えることをお勧めします。人間の体は一度変異が起きても再生することがあるのです。なんでも手術しなくては治らないと考えている人がいますが、手術は最後の手段と思って積極的に鍛えていけば体は変わるのです。気が体を動かします。そして弱化したままの筋肉は受け身の姿勢で治療だけを期待しても劣化は止められません。
無理は禁物です。特に無理な動き、運動をしていることで体が悲鳴をあげているケースがありますから、体がやめてほしいと思っていることに気づき、それを避けることも大切です。歩くことがすべていいわけではありません。このあたりの説明は矛盾しているように聞こえますが、ご自分で何をしたらよいか体と会話して気づいてあげるしかないのです。その上でできる運動をしていく。運動をしなければ歩けなくなってしまうかもしれません。しかし無理はしない、やらない方がいい運動はしない、このようなところを理解してご自分で最善を選択していく。もちろん専門の方に相談することは大切ですが、守りに入りすぎないことも大切だということをお伝えしたかったのです。
私自身もひざ痛で悩んだことがあります。階段を降りるのも難しく、手術を考えました。しかし私は守りに入るだけではいけないのではないかと気づき、運動をすることにしました。主に太ももの筋肉を鍛え直しました。それに加えて歩き方、立ち方を研究しました。自分の歩き方がいかに不自然であったかを反省し、正しい歩き方を実践しました。最初は違和感がありましたが、これが正しい感覚なんだと驚きました。筋肉を使わずに歩いていたことがわかったからです。足底筋、ふくらはぎの筋肉などを大きく使って歩きます。丁寧に歩くので速度は遅いです。しかしこれはとても有効でした。
それに加えて足首、足の甲を柔らかくして可動域を広げる施術を自分で行いました。また骨盤のゆがみも自分で矯正しました。これに関しては私は知識があったためできました。一般の方は自分でやろうとしても間違った方向へやってしまうこともあるため、専門家にお願いした方がいいと思います。
このようにしてひざ痛を克服し、当院に通われているかたにもそのやり方を伝授して喜んでくださった方が大勢います。
前回は私の考えた体操をお伝えしましたが、これをやらなくてはだめだということではありません。
これはひとつの方法に過ぎません。これでなくてもいいのです。やり方はひとつではありません。私の体操は私と縁のある人にだけ教えることがありますが、ヨガでもダンスでもその他の体操でも構いません。ただ肉体的にならずに個人の気が全体の気に融合していくことを目的に行うことが大切です。そこに大切なのは意識と呼吸です。例えばヨガは私が言っていることと共通しています。ですから本質を理解したヨガ教室は同じようなことを伝えてくれると思います。
運動は健康にとってとても大切です。病んだ心と体を復活させるのに運動はとても有効なのです。私はこの運動による健康法が特に得意であり、長年研究と実践を続けてきたのです。
運動は適度な運動がよいとされています。本当にそれは同意します。やりすぎは時に逆効果になることがあります。私がおすすめするのは毎日朝に15分の運動をすることです。朝に行うのが意味があります。夜にやっても効果はありますが、朝の比ではありません。朝やると金メダルです。
そして息が上がらない程度の運動で大丈夫です。深呼吸をしましょう。そして朝日を浴びましょう。
気持ちを新たに呼吸によって新しいエネルギーを摂り入れましょう。散歩でも十分です。その代わり意識を「今ここ」にしっかりおいて過去やこれから起きる未来に持っていかれないように、しっかり見張りましょう。歩くことだけに集中するのです。ただ周りが目に入らないような集中ではなく、今、ここにある空気、光、匂い、音に全身で共鳴するように意識を広げるのです。ただ中心は自分です。自分の足がしっかり地についていることを意識します。これは意識において自分の置かれた場所で私はきれいに咲く、という意識です。外に何かを追い求めるのではなく今ここにある豊かさに気づき、些細なことに感謝できる自分の本当の心と一致する。普段の慌ただしいノイズをリセットする、静寂に身を置き、あるがままに任せてみる、心の抵抗、防御をそっと外してみる、窓を開いてすべての客を迎えいれようとする、その時何をしなくてもエネルギーは入ってきます。あなたをいつも守り生かしている自然界のすべてがいつも包み込んでいてくれたことに気づく瞬間です。
体力に合わせて歩くスピードや付加を加えて、時には階段を上り、ストレッチ、体操を加えて、深呼吸をする。これを毎日、雨の日は家の中でできることをする。このような日課を朝に行うと病気にならないメソッドとして金メダルです。ゆっくり動く、気持ちよく体操するが基本です。できないときはそれだけでもよいですし、体力に合わせてメニューを加えていくといいでしょう。
筋肉はとても健康に必要なものです。筋肉を鍛えることでストレスを緩和したり、血糖値を安定させたりします。筋トレの健康効果は化学的に証明されてきており、筋肉がないよりあった方がいいのはそうだと思います。ただやりすぎはどうかと思います。ここに記事を読みにきてくださる方々は筋肉隆々の人は少ないかもしれませんが、健康という視点でいうと筋肉はつけすぎもよくないと思います。それは関節の可動域の制限、筋肉の柔軟性の欠如、交感神経優位な体質などにつながる可能性があるからです。Tシャツも脱げなくなるほど柔軟性を失い、後ろを振り向くこともできないという人もいます。
トレーニングのやり過ぎで筋肉を傷めてしまうことも多いですし、マシンやダンベルで鍛えるのはどうしても全体のバランスを逸脱してしまうことがあります。同じ筋肉ばかり発達してしまうなどです。またスタミナに問題が生じてしまう大きな理由としてミトコンドリアが元気ではないということが言えるかもしれません。ミトコンドリアを元気にするためには有酸素、副交感神経、ホルモン分泌の穏やかな連携などが大切であり、瞬発系の運動を繰り返すことで解糖系のエネルギー回路の体質になっていく可能性があります。
私もジム通いを15年以上行いました。筋肉をかなりつけていた時期もあります。今はセルフトレーニング、自重トレーニングのみです。明らかに体調が今の方がいいです。まず腰痛、首痛などから解放され、柔軟性が戻り、動ける体になりました。何より軽やかに感じます。それでも自重でしっかり筋肉は鍛えますのでやはり筋肉は大切だと思います。
病気にならない体になるために適度な理にかなった運動はとても有効です。しかし食事より大切かと言われればやはり食事でしょうか。食事が何より大切なのは間違いありません。ですが、食事で満点をとる必要はありません。10点では病気になりますし、30点でも未来は病気が待っているかもしれません。しかし60点、70点を維持できていれば運動が補ってくれます。実際にある程度好きなものを食べていても運動や呼吸法の実践で健康を維持している人は結構存在します。
食事が60点くらいで運動がそこそこ、例えばゆっくり散歩30分くらいの方の場合、病的ではありませんが、健康に自信があるというところまではいかないのではと思います。実際に免疫の強さで言えば年齢相応であり、年に一度は風邪をひいてしまったり、体調不良になったり、関節痛で悩まされているかもしれません。食事の点数はあくまでもイメージです。本来何が100点かは人によっても違いますし、わかりません。
イメージとして食事で70点を目指し、適度な運動のルーティンプログラムを自分で作って毎朝実践する。そうすることで健康に自信ができてくると思います。風邪をひいてもすぐに治る。疲労しても一日寝ていれば治る。このような状態にどなたでもなります。血流が血管レベルからよくなり、胃腸、肝臓、腎臓、副腎、脳などが相互に健康的な働きを維持していることを目指しましょう。
そのために食事について私なりに勉強してきたことがありますので次に書きたいと思います。
ここで書いた内容はあくまでも個人的な感想に過ぎません。参考になると思った方のみ生かしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

